導入事例

《ペルノ・リカール・ジャパン株式会社様》
今まで30分かかっていたEDI取引時のデータ変換処理がわずか5分でできるようになり、繁忙期の取引業務についても安心しています。

酒類卸売業
全銀TCP/IP
Biware EDI Station

スピリッツ&ワインの市場で世界第二位の総売上高を誇るペルノ・リカール・グループ(フランス)。その日本法人がペルノ・リカール・ジャパン株式会社様です。
現状、全取引業務の約60%をEDIで処理しており、特にゴールデンウィークや年末年始など繁忙期の取引においては、処理ミスが一切許されないミッションクリティカルなEDI環境を必要とされています。
今回、「Biware EDI Station」をご導入いただいた際の経緯や決め手などについて、財務管理本部 情報システム課の東様にお話を伺いました。

導入の経緯

EDIサーバー老朽化への対応と
バックアップ体制の整備を行う必要があった。

まずはEDIシステムの見直しをご検討されたきっかけについて教えてください。

財務管理本部 情報システム課
オペレーションサポートアナリスト 東 慶喜様

これまで当社では、全国7営業所のEDIによる受注処理を東京本社にあるEDIサーバー1台ですべて賄っていましたが、BCPを踏まえたバックアップシステムの整備が課題となっていました。

またEDIサーバー自体も、公式サポートの終了を約1年半後に控えたWindows Server 2003を使い続けていたため、そろそろリプレイスを考える時期にありました。さらに取引量も増える中で、EDIサーバーの処理能力にも限界も感じていました。例えば出荷データを送信する際、商品番号などの登録漏れがあった場合はデータ変換などの処理をやり直すわけですが、繁忙期にこのようなエラーが発生すると、取引先から指定されている出荷指示の締めきり時間を超えてしまうリスクがあったのです。

その他、これまで利用していたEDIパッケージも保守更新の時期が迫っていたため、これを機にEDIシステムの見直しを検討することにしました。

EDIシステムの見直しに際し、EDIパッケージの選定はどのように進められたのですか。

まずはこれまで利用していたEDIパッケージのバージョンアップを検討しましたが、導入初期費用に加えて今後必要とされる追加費用も踏まえた総合的な費用を考えた場合に、大分高額な印象を持ちました。

そこで他のEDIパッケージも踏まえて検討することにしたのですが、他製品を3種類ほど比較した中では、EDIの各種機能(通信、変換、ワークフロー管理など)が総合的に揃っているパッケージは「Biware EDI Station」しかありませんでした。他製品はオプションで各機能が用意されていましたが、それぞれサポート窓口が異なるなど総合的な製品として一体化されていなかったのです。

最終的な候補として、「Biware EDI Station」と既に利用していた製品のバージョンアップ版が残りましたが、費用面で明らかに優勢であった「Biware EDI Station」を採用することにしました。

「Biware EDI Station」のどのような点が良かったのでしょうか。もう少し詳しくお聞かせください。

他のEDIパッケージと比較検討する中で、「Biware EDI Station」を採用した主なポイントは次の3点です。機能面と費用面のバランスのとれたEDIパッケージが、当社にとっては「Biware EDI Station」でした。

導入の決め手
  • ワークフロー機能の条件設定に多様性があり、様々な自動処理が実現できる点

    取引業務における一連の処理の流れを定義する「Biware EDI Station」のワークフロー機能は、それまで利用していたEDIパッケージと比べて自由度が高かった。ある処理から次の処理へとフローを構築する上で、様々なアクションが用意されているため、複雑な分岐が可能となり多彩な自動処理を実現できると感じた。

  • 取引先ごとのメッセージ変換定義を始め、高度なEDIシステムを安価に構築できる点

    酒類業界では、取引先卸様/小売様ごとにメッセージ変換定義の構築が必要であり、EDIシステムを構築する上での負担の一つとなっている。この変換定義の構築を含めた「Biware EDI Station」の導入コストは、それまで利用していたEDIパッケージと比べて非常に安価であった。今後、取引先の増加に伴って新たなメッセージ変換定義の構築が必要となるが、その際の負担も考慮するとコストパフォーマンスの高いEDIパッケージだと感じた。

  • インターコム製品に対する信頼性や馴染みがある点

    ちょうど前職で基幹系システムの運用を担当していた際、インターコムの端末エミュレーター「FALCON」を利用しており、優れた製品であったという印象が残っている。基幹系システムにおいてインターコム製品に対する信頼性や馴染みがあったことも選定の後押しとなった。

導入の状況

EDIサーバー1台、ISDN 1回線で運用。
大阪に待機サーバーを用意。

導入状況について教えてください。

現在、本社にEDIサーバーを仮想環境で1台設置しISDN 1回線で運用しています。酒類業界のVANサービス会社、出荷や在庫管理を委託している倉庫・配送サービス会社などと全銀TCP/IP手順によるデータ交換を行っています。

受注処理は「Biware EDI Station」で設定したワークフローをスケジュール化して、通常午前中に2回自動実行しています。受注データのダウンロードから社内フォーマットへのデータ変換、基幹システムへのデータ送付までを行って、業務担当者へ完了のメールを発信します。完了メールを受けた業務担当者は、基幹システム上で受注データを取り込んで取引処理を行います。

受注後、業務担当者は基幹システム上で出荷データを作成します。次に「Biware EDI Station」のワークフローを稼働させてこのデータを送信し出荷指示を行います。また1日の終わりに当日の出荷データを基幹システムから出力して各取引先へ送信します。

その他、1日1回本社EDIサーバーのデータベースをバックアップデータとして自動出力しています。万が一本社EDIサーバーに支障が出た場合は、関西支社に同様のEDIサーバーを用意していますので、こちらでバックアップデータを取り込んで、システムを迅速に再稼働できるようにしています。

ペルノ・リカール・ジャパン株式会社様 EDIシステム概要図

2013年秋よりEDIパッケージの見直し/検討を開始。株式会社システナ様よりご案内のあった「Biware EDI Station Standard」を2014年1月に購入した。その後、ワークフローやメッセージ変換定義の構築、テスト運用、ユーザートレーニングなどを行い、2014年10月より東京本社、関西支社を含め正式稼働させた。
受注業務の担当者は計7名。取引先との受注手段の内訳としては、現状でEDIが約60%、電話が約20%、FAXが約20%となっている。ペルノ・リカール・ジャパン様では、今後EDIの比率を高めることで、取引業務の効率化を図っていく予定だ。

運用と効果

取引業務のネックになっていた
データ変換処理にかかる時間の大幅な短縮を実現。

現在、「Biware EDI Station」をどのようにご活用いただいていますでしょうか。また導入効果についてはいかがでしょうか。

「Biware EDI Station」の本稼働により、データ変換処理の大幅なスピードアップを実現できたと思っています。テスト運用では、旧システムで約30分かかっていた1取引のデータ変換処理が、新システムではわずか5分以内に同一の処理を終えることができました。

ちょうど今月(12月)の後半から年末年始の繁忙期に入りますが、繁忙期の処理ミスは出荷指示の締め切り時間を超過してしまうリスクがありましたので、その前に「Biware EDI Station」の構築をすべて終えることができたのは良かったと思っています。

その他、「ワークフロー機能の条件設定に多様性がある点」を導入の決め手として挙げましたが、これに関連して、社内の回覧/確認作業についても、ワークフロー機能利用した効率のよい方法を実現しています。

例えば新しい商品をシステムに登録する際、従来はExcelで回覧シートを作成し、単に関係者へメールで一斉通知していました。「Biware EDI Station」では、回覧者が作成した回覧シートを特定のフォルダーに保存すると、そのファイルを「Biware EDI Station」が認識して関係者へメールを送付。同時にファイルのコピーを関係者が所属する部門の共有フォルダーに保存するという一連のワークフローを自動実行させることができます。各部門の共有フォルダーも「Biware EDI Station」で監視しておき、関係者が回覧シートに署名などを記入して保存した段階で回覧者へメールで通知するようにしておけば、誰が確認済みなのかを効率よく管理することができます。

最後に、「Biware EDI Station」に関する今後の運用方針についてお聞かせください。

「Biware EDI Station」を導入したことで、受注手段を従来の電話/FAXからEDIへとシフトしていくためのインフラが整ったと考えています。情報システム課の陣容も限られる中、さらなる業務効率化につなげるためにも、取引先ごとに少しずつEDI化を進めていきたいと考えています。

また今後も取引先卸様/小売様ごとにメッセージ変換定義の構築が必要になってきますので、インターコム主催の教育セミナーへ参加するなど、構築ノウハウの習得にも努めたいと考えています。

掲載している情報は、取材日時点のものになります。
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