IT未経験の新入社員が電話のテレワーク化担当に!電話のテレワーク化を3日でやってみた
急に在宅勤務が始まった話
こんにちは、インターコム第一営業部の牧田です。この会社に入社して約1年、新型コロナウイルス感染症対策に、急遽当社でも在宅勤務を導入することになりました。
はじめは、勤務日数のうち5割出社でしたが、政府の要請に応じて次第に出社日は3割、週1日と減っていき、当社でも急いでテレワーク環境を整えたり、会議はすべてオンライン化されたり、社内の申請書類のルールを変更したり、色々な対応に追われました。
1つどうしても解消できない問題がありました……それは……オフィスにかかってくる電話を取れないことです。
電話が取れない
導入前の課題
テレワーク中の電話対応をどうするか
営業している限り、会社の電話を止めるわけにはいきません。私たちの選択肢は2つでした。
- 留守番電話にする。
- 誰かが出社して電話対応をする。
ひとまず、電話当番のために誰か1人は必ず出社するようにシフトを組んで対応することになりました。 しかし、結局出社した電話当番が電話を取ったとしても、すべてをその電話当番が対応できるわけではありません。
電話当番が出社して対応する場合、以下のように多くの手順が発生します。
- お客様から会社に電話がかかってくる。
- 電話当番が、お客様の「名前」「電話番号」を聞いて電話を切る。
- 電話当番から自宅の担当者に電話をかける。
- 自宅の担当者から折り返しの電話をかける。
結局お客様をお待たせしたり、それまでやっていた業務の手を止めて電話を取ったり、間違いがないよう慎重に連絡先を聞いて引き継いだり、担当者はそれを受けて「先ほどは電話に出られず申し訳ありません」と連絡をしたり、何重にも手間がかかっています。
非効率……
解決策
「Hasso」を使おう
これは、何か手を打たねば! ということで営業部内で話し合った結果、ビジュアルIVRサービス「Hasso」を使って“電話をテレワーク化”することになりました。
「Hasso」とは、当社(インターコム)が提供している電話業務を効率化するクラウドサービスです。
会社の電話を「Hasso」に転送し、自宅にいながらPCで着信し電話対応できるようになります。
もともと、緊急事態宣言が発令されてすぐに、代表電話やサポート部門の電話で「Hasso」を導入し、早くから電話のテレワーク化を実施していました。
ただ、営業部門では「社用のスマホがあるし、販売パートナーや対応中のお客様はスマホとメールで対応しきれるよ」という意見があったため導入を見送っていました。しかし実際は、前述した通り、電話当番の出社や電話の取り次ぎにの負担などが発生していました。
そんな中、突然先輩から‥‥‥
先輩:「営業部の電話にも『Hasso』を入れることになったよ」
私:「あ、そうなんですね! それは助かりますね」
先輩:「でね、その導入作業を牧田さんにやってほしいの」
私:「……え! 導入作業をですか?!」
先輩:「大丈夫、大丈夫。操作は簡単だし」
私:「確かにそうですけど……」
先輩:「何かあったらいつでも相談してね。よろしくね!」
まさかの展開
と、まさかの「Hasso」導入作業を任されることに。 営業担当の私に務まるのか不安もありつつ、翌日から導入に向けて動き出しました。次からは、私が実際に営業部で「Hasso」を導入するまでにやったことを記します。
導入作業1日目
①社内調整
電話転送の設定(情報システム部門)
システム担当に営業部の電話番号を「Hasso」で受けることを伝え、転送を設定してもらいました。情報システム部に申請してもらうと即日転送設定が完了しました。(※契約している電話回線やPBXによって設定方法は異なる場合があります)
予算確保(営業部、経理部)
通話料をどこが負担するのか、営業部と経理部で調整し、テレワークの特別予算で補填することになりました。
②必要な要件を洗い出し、コールフローを作成
営業時間内の着信
- 営業部全員に着信音を鳴らす。
- ログインしている全員が着信を受け、出られる人が出ます。
- 必要に応じてログインしている担当者に取り次ぐ。
お昼休み(12時~13時)
- 自動の音声応答で対応する。
- スマホで電話している方に対しては、SMSでURLを送信し、Web問い合わせフォームやよくある質問ページへ誘導する。
営業時間外
- 自動の音声応答で対応する。
- 翌日、「Hasso」管理画面で着信履歴を確認し折り返し電話をする。
③「Hasso」の初期設定
電話番号を購入
「Hasso」上で「050」または「0800」から始まる電話番号を購入します。購入画面上でそのときに購入できる電話番号が一覧表示されるので、下8桁が覚えやすそうな番号を選びました。
アカウント作成
営業部11名分の氏名とメールアドレスを登録し、IDを発行しました。
導入作業2日目
導入作業2日目、営業部内で試作したコールフローをレビューしながら使い方を説明し、不足しているフローなどを確認しました。
コールフローの追加
誰も対応できない場合の対応
営業部会議や全員がお客様対応中など、誰も電話に出られない場合、「Hasso」から社内メールやチャットに不在着信の案内を通知。
困ったこと
オンラインミーティング中に着信があると、「Hasso」の着信音が鳴り響いてしまう。
オフィスで働いているときでも起こることなので、さして大きな問題ではありませんでしたが、ミーティング中はログアウトするという運用にして回避しました。
導入作業3日目
部内レビューで修正後、テスト運用を開始しました。この日は念のため出社しましたが、電話は会社の固定電話ではなく、「Hasso」に転送してノートパソコンで対応し、動作に問題がないか確認します。
テストした運用パターン
- 外線電話(お客様からの電話に「Hasso」で対応)
- 内線電話(「Hasso」で在宅勤務メンバーに内線電話を発信)
- 時間外、不在時の着信通知
- 電話の取り次ぎ
失敗したこと
電話が鳴らない!
Google Chromeの通信設定をオンにしていないのが原因と判明。運用ルールの注意点として追加しました。
オンラインミーティング中に 着信音が鳴り響く!
「Hasso」にログインしたままオンラインミーティングに参加すると、電話がかかってきたとき、着信音がオンライン上で鳴り響いてしまうことが判明。ログアウトし、IVRで自動応答するように運用を変更しました。
本運用開始
そしてあっという間に本運用スタート。初めて1人で商談に行ったとき以来の緊張の瞬間です……
9時前まで
営業部の全員が「Hasso」にログイン
11時ごろ着信
受話ボタンをクリック→ヘッドセットで通話
オフィスの固定電話で対応していたときとまったく変わらず、違和感なし。思いのほかすんなり本運用に成功しました!
導入効果
3つの導入効果
- 電話当番の出社がなくなった
- 電話の取り次ぎができる
- 内線電話としても使える
わざわざ出社しなくても、自宅にいながら外線の発着信や電話の取り次ぎ、内線電話など、オフィスにいるときの電話環境と変わらず電話対応をできるようになりました。
+α 気が付いたメリット
着信履歴から、営業時間外の着信に気付く
「Hasso」には着信履歴が残ります。固定電話では気付きませんでしたが、営業時間外にもお客様や販売代理店の担当者から何件か着信が来ていることがわかりました。これまでは、「営業時間内におかけ直しください」というアナウンスのみで何のフォローもできていませんでしたが、「Hasso」ならSMS送信を使ってWebの問い合わせフォームに誘導したり、週明けに不在着信の履歴をチェックしてこちらからかけ直せるようになりました。
導入してもいいのでは
導入・運用費用
導入から3か月までにかかった費用はこちらです。
導入費用 | 【初期費用】20,000円 【機材費用】ヘッドセット代(11人分):約7万円 ※iPhone純正イヤホンでもOKのため、自前のものを使用するメンバーもいました。 |
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3か月運用 |
【料金】基本料金50,000円×3=150,000円 【通話料】(平均) 4,837円×3=14,511円 【合計】164,511円 |
これからのこと
今回、任命当初の不安とは裏腹に、わずか3日で営業部の“電話のテレワーク化”に成功したので、新しく2つのミッションが追加されました。
- 電話対応を完全に自動化する
- ほかの部署や地方営業所でも導入する
電話当番がいなくても済む環境を作る
実は「Hasso」は本来、ビジュアルIVRというスマホで問い合わせたお客様を「よくあるお問い合わせ」や「専用フォーム」などのWebページに誘導して、お客様がスムーズに自己解決できるようにするクラウドサービスです。今回、緊急のテレワーク対応で電話転送やクラウド上の外線・内線電話として使っていましたが、このビジュアルIVR機能を使って、緊急事態宣言解除後にテレワーク(在宅勤務)が終わっても電話業務の負担がなくなるようにしたいと思っています。
ほかの部署や地方営業所でも導入する
今回、営業部の中でも私の所属する第一営業部のみで「Hasso」を導入しました。これを見て第二営業部や地方の営業所担当からも「うちにも入れたい!」と声が挙がっているので、追加のテナント作成と、レクチャーをしていきたいと思います。
導入できました