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【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第6回 スマートフォンとガラパゴス携帯、
「選択」か「両立」か? 悩めるシルバー 2014年4月16日配信

最近、通勤電車の中でよく見る光景だが、実に多くの人がスマートフォンやタブレットを触っている。7人掛けシートに座っている人のうち4名が何らかの端末を触っていた。4人掛けシートで全員が端末を出しているのも昨今ではそう珍しくもなくなった。

何をやっているかと思い両脇の人を覗いてみると、ゲームやメール、写真などを見ている人がほとんど。中には、1台の端末で音楽を聴きながらもう1台で何かを操作している人もいる。映画やデジタルブックを見ている人も増えてきた。

電車に乗ったとたん、何かに取り憑かれたようにバッグからすぐさま端末を取り出して使い始める人が実に多い。圧倒的に多く見るのがやはりスマートフォン(スマホ)だ。ついこないだまでノートパソコンを使っていた人をよく見たが、最近はスマホに代わった。いつからこんなに使われるようになったのだろうか。

ビデオリサーチの調査によると、昨年8月の時点で成人のスマホ所有率は約49%、昔ながらのガラケー(ガラパゴス携帯)所有率は46%で、ついにスマホがガラケーの数を上回ったとのこと。ただ、年代別に見るとその差は大きくスマホの伸び率は10~20代で高く、中高年層ではまだそれほど伸びていないらしい。

自分の場合は、今はガラケー(この頃ではフィーチャーフォンとも呼ばれるらしい)とiPodとiPadの3台を使っている。家族も全員がiPhone、iPad、ガラケーのいずれかを使っている。完全にキャリアの戦略の上に乗せられている格好だ。

2年前までAndroidのスマホを使っていたが、そのときのAndroidはハードの処理速度が遅く、電池も1日やそこらで切れてしまうような「まだまだ」の製品だったため、途中で持つのを諦めてしまった。

iPodは、まだiPhoneが発売されていなかったときに音楽を聴くためイーモバイルのポケットWiFiルーターに接続してiTunesやYouTubeにアクセスしていたが、iPodとルーターの2台を持つのが面倒で結局iPadを購入したタイミングでルーター接続をやめてしまった。

iPad miniは毎朝電車の中で日経を見るのに使っている。自分が気になっている記事をリストの中から選んで閲覧できるのはとても便利だ。また、液晶が大きく、文字を拡大できるのもシルバーにはとても助かる。

最近、スマホやタブレットもハード性能が上がり、ソフトも豊富に揃い、本当に使い勝手が良くなってきた。システムの起動も早いし操作もマニュアルレスでできる。ここがパソコンと決定的に違う点だ。最近のモバイル製品が主婦やシルバー層にも受ける「訳」がよくわかる。

テレビでやっていたが、今は亡きアップル社のスティーブ・ジョブズが社長だったころ、iPhoneの完成度を上げるためエンジニアに試作機の改良を何十回、何百回とやり直させていたシーンを思い出す。製品作りにあくなき情熱とこだわりを持ち納得できない品質にはガーンとして妥協しない哲学を持っていたジョブズであったが、そのため毎日社員と口論を繰り返すはめとなり、すっかり総スカンをくらってしまったほどだ。

そんな苦労があったからこそ、今我々はその恩恵を受け最高に使いやすい製品を持つことができるようになったのだと思う。今、技術立国ジャパンでこれだけ拘り抜いて作られた製品がどのくらいあるだろうか?

スマホはこれからもどんどん性能が上がるだろうが、ジョブズのような人が出てこないと、再び世界をひっくり返すような革新的な製品は登場しないだろう。

これだけ高機能になってきたスマホも、使用頻度が高い通話やメールでは今更ながら日本で生まれたガラケーのテンキ―操作の良さが一歩も二歩も先に行っていると感じるときがある。スマホは何か調べたりするときにとても便利だが、「そんなに調べることがあるの?」と言われるとそれほどない。自分の場合は、通話とメールが簡単にできさえすればそれだけで十分だ。

飽きっぽい性格なのでLINEもFacebookもちょっと使っただけですぐやめてしまうだろう(たぶん)。お財布機能もGPSもそれほど必要ない。カメラ機能は本来のデジカメで賄えてしまう。と言うことで、今でもガラケーを手放せないでいる。IT会社の社長なのにスマホを持たないとは何事だとお叱りを受けそうで肩身が狭い。知人や社員でスマホの話題になると、ついていけないときがあり困ることもある。

最近、ウェブや新聞などでよく取り上げられているのがガラケーの復活記事である。これだけスマホが普及していても、主婦や中高年を中心にガラケーの方が「やっぱり使いやすい」という意見がまだ根強く残っているとのこと。自分もその部類に入るのかも知れない。

今の悩みはスマホの仲間入りをしてもいいのだが、タブレットとガラケーも持ち、その上スマホじゃパケット通信料も馬鹿にならない。ここが一番悩ましいところだ。割引で通信料が若干安くなったとしても2台持ちはちょっとどうか?

それじゃ、スマホ1本にまとめたらいいじゃないかと言われることもあるが、流行に迎合しているようで情けない。タブレットも使い方次第でスマホより便利なシーンが多々ある。スマホ一辺倒になる必要もないだろうと言い訳も通り易い。ただスマホを持たないと時代の流れに取り残されるような気がするのも心配だ。

最近のサラリーマン川柳で、「ガラケーは、使いやすいのに、出しにくい」との一句が入選するほど、流れは完全にスマホだ。新聞にも書いてあったが、若い女子の間ではガラケーを使っていると「マダガラ女子」と言う皮肉を込めた言い方をされるそうだ。自分の場合だったら「マダガラオジー」とでもなるが……。

悩める60代である。

株式会社インターコム
代表取締役社長 高橋 啓介


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