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【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第21回 街のナショナルショップから学んだ
「お困りごと」ビジネス 2015年7月15日配信

若いころは給料も、小遣いも少なかったので、買い物はできるだけ安いもので済ませていた。欲しいものは沢山あるが、高い商品に手が出なかったというのが正直なところだ。何を買うにも、値段が一番。性能や機能、デザインなどは二の次。高額な家電製品は、値引きの交渉ができる大型量販店で買うと決めていた。

今は、インターネットの普及でAmazonや楽天などのオンラインショップで様々な商品が買えるようになった。多くの商品の中から欲しいものを検索し、価格も比較できる。これまでに、サックスの楽譜や写真集、DVD、本、化粧品など多くのものをオンラインショップで注文した。注文も簡単で、値段もリーズナブルだ。

ところが最近になって、この価格一辺倒の考えが変わってきた。

年齢を重ねれば、懐具合に余裕が出てくる。単純に価格ばかりでなく、商品の品質やブランドにも強い興味が出てきた。また、サービスや安心感を求める気持ちも大きく膨らんできた。

家電製品やパソコン、自動車などの耐久消費財は、購入後のアフターケアがとても気になる。故障したときは、短期間で修理してくれることが重要だ。

特に家電製品はオンラインショップや量販店で買わず、自宅近くにある家電の取次店(ナショナルショップ)で購入するようになってきた。商品に満足できて、同時にアフターケアのことが担保されていれば、安さだけに拘る必要はない。取次店だと、商品が単一メーカーに限られるというデメリットはあるが。

若者は価格を最優先して商品を選べる能力がある。目もいいし、知識も広い、何でも器用にこなし、根気も続く。パソコンやホームシアターなどの設置や設定が難しい商品でも、自分で組み立てられるだろう。たとえ故障が起きても、自ら荷物をまとめてセンドバックすることを厭わないだろう。

それに比べて我々シニアは、行動範囲も狭いし、知識も乏しい。何事も面倒くさく、若者のようにすべて自分で済ますことができない。できることは、欲しい商品を注文することと、商品で困ったときに電話でサポートを依頼することだけである。

そんな理由で最近我が家は、「お困りごと」を親身に聞いてくれるところでしか物を買わなくなってきた。電化製品に限れば、私がいつも利用している「ナショナルショップ」なら、どんなことでも電話一本で、しかも30分ほどで自宅に駆けつけてくれる。購入した後の迅速なアフターケアは、本当にすばらしい。量販店やオンラインショップではそうはやってくれない。

そんなことで我が家とナショナルショップは、深い信頼関係が築き上げられているのだ。シニアやシルバーには、こんな安心感やフットワークの良さはとても魅力的だ。

例えばこんなことがあった。操作ミスでエアコンが動かなくなってしまったときや、テレビでBSが映らないような単純なトラブルのときに来てくれた。また、IH調理器を使用中に数回ブレーカーが落ちた。そんな急を要するときは飛んで来てくれる。LED電球1個でも気軽に交換してくれる。

冷蔵庫の調子が悪かったときもすぐに駆けつけ、お願いもしてないのに冷蔵庫の中を綺麗に掃除してくれる。奥方の誕生日には毎回お花やハンカチ、お皿の記念品などが手紙と一緒に届く。

もちろんこうしたサービスは、後々商品の値段に跳ね返ってくることは十分承知の上だ。しかし、それでも多少高いくらいならOKである。融通がきかないシニアには、頼りになるサービスの方がよほど嬉しい。

高齢化社会が進むと、こうしたアフターケアのニーズが出てくるような気がしてならない。別の角度から見れば、積極的なアフターケアは購入のリピーターを生む大きな源泉になっているのかも知れない。

奥方から聞くと、最近では様々な企業の営業が自宅に訪ねて来ているようだ。銀行、証券、家のリフォーム、乳製品、屋根や壁の塗装、家の掃除、植木の剪定、包丁磨ぎ、クリーニング、スーパーの食材の宅配、古くなった電気製品の引き取りなどなど。

彼らのほとんどが、顧客戦略の一環として、アフターケアの商売と同時にリピートビジネスを積極的に展開しているようだ。顧客とのタイミングが合えば、直ちに注文や契約に結びつくことがあるそうだ。

この間も、たまたま自宅の屋根のメンテナンスを思案していたとき、いつも団地を回っている建設会社の御用聞きセールスレディ(聞いたところアルバイトの主婦)に一声掛けたことがきっかけで、屋根全体のリフォームにまでオーダーがつながったこともあった。

もちろん、中には得体の知れない業者もいて、そんなときは玄関に出るのがおっくうにもなる。シロアリ駆除や水道管の配管チェック、新聞の勧誘や宗教の寄付などがそれである。以前、風呂場の配管チェックを無料でお願いしたところ、家中「ビショビショ」にされてしまった苦い経験がある。

改めて考えてみると、こうした「ナショナルショップ」のようなアフターケアは、我々のビジネスにも共通していると思う。

多様化している今日のような成熟市場では、いくら最新の技術を駆使した商品を提供しても、企業間や商品間で大きな差が付けにくい。いくら価格を安くして販売しても、様々なトラブルやクレームに対して迅速な回答やサポートができなければ、最終的に顧客に飽きられて、せっかくの価格の魅力は半減してしまうと思う。

やはり、顧客の様々な「お困りごと」を根こそぎ解決できてこそ、そこに信頼関係が生まれ、継続的なビジネスが成り立つのではないかと思う。

最近特に感じるのは、アフターケアは顧客の購買行動の1つであり、アフターケア・ビジネスは顧客戦略の1つでもあると感じる今日このごろである。

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介


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