【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第58回 お盆に考えたお墓事情 2018年8月22日配信

お盆が終わった。今年のお盆も暑かった。

ちょうど1年前、私は心筋梗塞という大きな病で大学病院に担ぎ込まれた。高度医療と優秀なドクターのお陰で九死に一生を得ることができた。

考えてみれば、これはすべてご先祖様に守っていただいたからである。
神様が私に“もっと生きなさい”と生かしてくれたのであろう。
残念ながら、都合で今年のお盆はお墓に行けなかったが、秋のお彼岸には南房総の実家の墓参りに行き、しっかり御礼を言おうと思っている。

さて、私は次男なので、先祖のお墓には入らず、自分のお墓を持つつもりである。これまで、お墓はそれらしい時期が近づいたら作ればいいと考えていた。しかし、昨年のような病気に見舞われたりするとつい不安に駆られる。もし自分がいなくなったら、急遽、家族にお墓を作ってもらわなくてはならない。そんな迷惑を掛けたくないし、自分が思い描いている理想のお墓もできなくなってしまう。

そんなことから、今年中には必ずお墓を作ろうと決心した。

数年前、地元の霊園で公募があり、とりあえず土地だけは購入しておいた。
家を建てるときと同じ感覚で、霊園の入口からほど近いメインストリートの南側に面したベストポジションを確保した。
墓石などは手つかずのままで、たまに行ってみると私のお墓だけが草ぼうぼう状態になっている。

最近、石材屋さんに連絡を取って、相談を始めた。
改めてお墓を完成させる手順を尋ねると、普通は墓石専門誌などを参照にして作るとのこと。実際に墓地や霊園を見学に行き、気に入ったお墓を真似したり、自分なりにアレンジして作る人もいるそうである。

また、ネット上にもたくさんの情報やサンプル写真が載っている。
最近の流行は、昔からよくある和風一辺倒ではなく、洋風やデザイナーズ風などたくさんの種類やデザインがある。私の霊園の中にも、おそらく故人の愛犬と思われる犬をそのまま象ったものや、大きなゴルフボールらしき墓石もある。

石材の種類もピンキリで、今は中国やインド産が中心らしい。また、墓石の制作は完全オーダーメイドでほとんど中国にお願いしているそうである。
国内で作ると値段が桁違いになるらしいが、海外製だとちょっと品質が心配だ。

かなり前のことだが、一時織田信長の生き方に傾斜した時期があり、どうせお墓を作るなら、信長とまったく同じ縦型の五輪塔を作りたいと執着していたことがあった。

しかし、この夢は、数年前に発生した東日本大地震で撃ちたたれてしまった。
テレビで多くの日本風のお墓が倒れてしまった光景を目の当たりにして、これから立てるお墓は、縦長ではなく安定感がある横長の洋風にしようと気持ちが変わった。

そうだ、信長より安定だ。

今、我々の間では、お墓は切実な問題である。
友人が3人集まれば、病気と相続の話、それからお墓の話題は実に多い。
私は、郊外に住んでいるのでそれほど悩まなかったが、首都圏で暮らす人達には、最近の墓地不足は大きな問題になっている。

お墓に空きのある他県に頼ったり、遺骨を自宅で保管したりする人までいる。
多くの人達は、家族が一緒に埋葬される「家族の墓」を望んでいて、東京都が勧めている複数の遺骨を一緒に埋葬するような合葬墓地には抵抗感を示している。

私も同じだ、普通はそう思うだろう!

この背景には、人口の一極集中と少子高齢化による墓地不足がある。
しかし死後のことまでこの問題で悩まされるとはなんとも嫌になる。

一方で墓不足以外の問題も起こっている。

作家の江上剛氏が「日刊SPA!」で、お墓の問題をストーリー風に描いているのが大変面白い。たとえば、夫婦仲が悪かったりすると、奥さんの方が、夫と一緒の墓に入りたくないと言い出す場合もあるそうだ。「生前さんざん世話をしてきた! 我慢もしてきた! 浮気もされた! もうお墓の中まで一緒に暮らしたくない! これ以上夫の親戚とも付き合いたくない!」というのである。

そして何と死後離婚までして遺族年金を貰い、あとは悠々自適の生活を送る。そんな“逆転さよならホームラン”のようなことが現代では可能なのである(男性諸君、そうならないよう、今からでも奥さんには優しくしましょう)。

また、夫のお墓が田舎にあったりすると、「私は都会生まれ、あんな寂しい田舎のお墓には行きたくない! 入りたくない!」と言い出す奥さんもいるそうである。

田舎や郊外の霊園にお参りするには高齢化した遺族にも大変。子供も行ってくれない。独身も増えている。そもそも、お参りしてくれる子供がいない。

私の場合は、長男がいるので跡継ぎ(墓守)を彼にお願いするつもりだが、後継者がいない家族はどうするのだろうか?
この場合は「墓じまい」したり、お寺や霊園に「永代供養」をお願いすることになる。

子供が離れてしまっている場合はどうなるのか? 今、これが一番増えているそうだが、子供のいるところにお墓を引っ越すそうである。

田舎からお墓の引っ越しが増えると、またもやお金も人(お骨)も首都圏に集中してしまう。そうなれば、首都圏は墓地不足が起こり、田舎はお寺からお墓がなくなってしまうため、最悪維持さえできなくなってしまうのだ。

最近こうしたトラブルで、離檀料要求問題にまで発展してしまうこともあるとのこと。

そして、最後はどんなお墓を選ぶかである。

お墓には、一般的なお墓、樹木葬、複数の遺骨を一緒に埋葬したり葬式までやってくれる納骨堂などがある。最近は、あのゴールドマンサックスやファンドが納骨堂を投資案件として捉え大きなビジネスにしているというから驚きである。

寺院の墓地なら檀家になるのか? 民営墓地なら経営は大丈夫か?

倒産したらお墓もなくなってしまいます。公営墓地は入居するために競争力が高い。納骨堂はビルなので耐震構造は大丈夫か? マンションと同様に何十年か経つと当然メンテナンスも必要になる。など心配は尽きません。

さて、団塊世代の皆さん、もうお墓はお持ちでしょうか?

今回の「コラム」も、またいつものようなジジ(時事)ネタになってしまいましたが、我々は誰一人としてこのお墓の問題を避けて通ることができません。

皆さんご一緒に考えて行きませんか。

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介


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