【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第63回 伝説のロックバンド「クイーン」 2019年1月23日配信

明けましておめでとうございます。
今年もまた「ロマンとそろばん」を配信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

皆さんはこの正月、どのように過ごされましたか?
私は会社の休みが9日間も続いたので、身体が少々鈍ったというのが正直なところであります。

年末は、玄関先に正月飾りを飾ったり、部屋や庭先の掃除、食料品の買い出しなど、正月に向けての準備で慌ただしく過ごしていた。しかし、年が明けると今度は何かをやるということもなく、孫たちが来るくらいで、家の中でゴロゴロとして無駄に過ごす日が多かった。

唯一のイベントは、今巷でブームが起きている伝説のロックバンド「クイーン」の映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観に行ったことぐらいである。なかなか面白かったが、私には、なぜこの映画がこんなに話題になっているのか、特に女性の間で騒がれているのか、よくわからなかった。

そうだ、今回はこの「ボヘミアン・ラプソディ」について語ろう……。

実はこの正月、私はこの映画を2度も観に行ってしまったのだ。
まず、1度目は単純に“正月は映画だ”と、ロングランを続けている人気の映画を観てみようと思っただけである。

ストーリーはとても明快で感動的だった。あるシーンでは涙を流してしまった。感動して家に帰る途中、2019年最初のコラムはこの「ボヘミアン・ラプソディ」について書こうと思い付いた。

しかし、考えてみると、この映画には色々なマイルストンがありすぎてコラムにするのはちょっと難しい。また、多くの読者の皆さんも観られているし、コラムのはずが批評などになったら困る。

そこで考えた。「そうだ! 困ったときはアンチョコだ、パンフレットを買いに行こう! 暇があるのだからもう一度観てみよう」となり、2度目の映画館行きとなったのである。

タイトルになっている「ボヘミアン・ラプソディ」とは、調べてみると、「放浪者」とか「ジプシー」のような意味があるらしい。クイーンのメインボーカル、フレディ・マーキュリーを主人公にした映画で、彼の波乱万丈なストーリーを知ると、このタイトルを付けた意味もわかるような気がする。

この映画は、何十年前に観たビートルズの「ビートルズがやって来る ヤァ! ヤァ! ヤァ!」や「ヘルプ! 4人はアイドル」などの、ミュージック・ビデオのような映像とサウンドを楽しませてくれるだけのドキュメンタリーチックな娯楽映画ではなく、ちゃんとした事実に基づいて脚本された「物語」が表現されていた。

特に、アフリカ難民の救済を目的とする20世紀最大のチャリティ・コンサートの「ライヴ・エイド」を再現したラスト20分間のシーンでは、クイーンの実写をそのまま特殊メイクして使っていたのでは、と思ったが、映像を見る限り昔のフィルムはあまり使わず、役どころもクイーンに似た俳優を配備。しかも、10万人という観客まで実際に動員して再現していたのが、なんとも信じられないほどリアリティがあった。

これは本当に一見の価値がある。
昔観た、米国のドキュメンタリー映画「ウッドストック」を彷彿とさせる大迫力も感じた。アーカイブを使わず、クイーンそっくりの俳優たちが歌ってプレイするなど、よくここまでできたなと、監督の強い意欲とその完成度の高さにとても驚かされた。

個人的には、特にギターリストのブライアン・メイ役のグウィリム・リーの顔が本人そっくりで、しかも彼のギターテクニックは本物のブライアンがプレイしているのではないかと思わせるほどレベルが高かった。

この映画から私が感じ取った感想は、一言で言うと、
『貴方には、真の友人は何人いますか?』
という問いかけのような感じがした。

クイーンがまだ無名のバンドだったころ、たまたま、メインボーカルに空きが出た機会にフレディがクイーンの一員に名乗りを上げた。フレディの少しハスキーな声とシャウトする歌い方、何より独特な感性でつづられる歌詞。その実力から、クイーンを率いるまでのメインボーカルになったフレディだったが、途中からは他人の言うことに耳を貸さなくなり、身勝手で傍若無人ぶりを発揮していた。

最後には、長年一緒にやってきたグループ仲間を見捨て、自分だけ大手レコード会社と契約しソロデビューしてしまったのだ。しかし、グループ休止後、最初のころは成功したかのようにも見えたフレディだったが、忠告をしてくれる友人もなく、クレイジーの頂点へ。

最後は自分一人となり、病魔にも侵されてしまった。そんな、精神的に病んでいたとき、彼の元に姿を見せたのは、最愛の元恋人だった。

彼女は「あなたは1人ではない、みんなファミリーだったでしょ。ファミリーに帰るのよ」とクイーンの存在を教えるのだ。それをきっかけにフレディは自らを悔い、昔のグループの仲間達と再会し素直に頭を下げた。私はこのシーンが一番見ごたえを感じた。

その姿に仲間達は、“きつーい”お仕置きのような態度で迎えたが、結局は彼を快く許し、クイーンを再結成した。

その復活の第1弾が「ライヴ・エイド」への挑戦となったのである。
そして、大舞台で、再び伝説のロックバンド クイーンを蘇らせた。
「ライヴ・エイド」でのメンバー 4人は“これが俺達クイーンだ!”とばかりにパワフルに力の限りをぶつけ、そして観客もそれに応え、熱狂の中で1つになったのである。

すべては友情であり、愛である。


「ボヘミアン・ラプソディ」映画パンフレット

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介


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