【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第71回 若者よ、選挙に行くな!! 2019年9月18日配信

すでにご覧になった方もいると思うが、7月21日に行われた参議院選挙を前に、若者に向けて面白い動画が流れた。

タイトルは、何と、「若者よ、選挙に行くな」である。

私はこの動画を情報系のテレビ番組で知った。
元ネタは、お笑い芸能人のたかまつななさんという方が設立した笑下村塾が制作した動画で、YouTubeにて流している。

この中では、中高年とおぼしき3人のおじちゃんとおばちゃんが、カメラに向かって、こう言いのけている。

若者よ、選挙に行くな

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『若い人たちへ  選挙なんかに行かなくたっていい だって 平和なんだから
 選挙? 面倒でしょ
 若者よ 選挙に行くな!
 年金が破綻する? 関係ないわ だって私は貰えてるもん
 教育の予算が減っている?
 その分 医療費に回して貰えるから ありがたいよ
 地球温暖化? 20~30年先の話なんて知らないわ
 あなたたちは政治家の不倫のニュースには熱心よね
 「年金を払いたくない」「残業は嫌だ」「給料が下がった」
 匿名でよく つぶやいているね
 Twitterで政治の話をシェアして 知った気になっているんじゃない?
 でも あなたたちは選挙には行かない
 選挙には行かない
 選挙には行かない
 だから 私たちが政治を動かしているの
 あなたたち若者は 存在しない人
 いつもでも「ゆとり」「さとり」と開き直ってなさい
 私たちは選挙に行く
 私たちは選挙に行く
 私たちは選挙に行く』
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若者たちの選挙への関心の薄さを憂いて、皮肉を込めて「選挙に行くな」と煽っている。

この動画の中で私が一番興味をそそられたのは、「だから 私たちが政治を動かしているの」「あなたたち若者は 存在しない人」のくだりである。若者が投票に行かないお陰で、政治は自分たち年寄りが動かしている。だから若者は存在しないのと同じとばかりに、皮肉たっぷりにけしかけている。

2016年に選挙権年齢がそれまでの20歳以上から18歳以上に引き下げられ、18歳選挙権が公布されたのを覚えているだろうか? 当時、このニュースはテレビや新聞で大きく取り上げられた。

しかし、その1年後の衆院選では、18歳の投票率が前の選挙の51.28%から47.87%に、19歳では42.3%から33.25%へと18.03ポイントも減少した。

あれから3年、今回の参院選で若者たちの投票率はどうだったのだろうか?

全体の投票率は48.8%で、盛り上がりに欠ける選挙だった。その中で、18歳と19歳の投票率は31.33%で、前回の46.78%より15.45ポイントも下回る結果になってしまったということだ。年齢別では、18歳が34.68%、19歳が28.05%だった(総務省調査)。

なぜ投票率が低かったのかその理由を調べてみると、上位から (1)現在の居住地で投票ができなかったから (2)選挙にあまり関心がなかったから (3)面倒だったから (4)どの政党や候補者に投票すべきかわからなかったから だそうである。

残念ながら次元の低い理由である。
なのでこれからは、もっと若者が選挙へ簡単に参加できるよう、スマホなどからのネット投票を導入して行く必要があるように思われる。

さて、皆さんは今回の参院選、投票に行かれましたか?

私の場合、選挙のときは毎回そうなのだが、奥方に促されて投票締め切りギリギリになって投票所へ行く。ただ、今回はちょっといつもと様子が違った。

投票所に着くと、なぜか理由がわからないのだが、衆院選のときと違って今回は掲示板に候補者のポスターが貼られていないのである。いつもなら、このポスターを見て候補者を決めるのだが、今回はそれができなかった。

前回の衆院選のような大きな選挙になると、NHKの政見放送や街頭演説、インターネットなどで積極的に情報が収集できるのだが、どうも今回は候補者などの知名度がいまいちマイナーでわからなった。

参院選には「選挙区」と「比例代表」があるのは知っているが、誰に投票するかとなると、具体的な候補者が出てこないのである。そこで「選挙区」の方は、今回はやむなく白票で出すことにした。

候補者のことがわからないまま適当な名前を書くぐらいなら白票の方がまだましだろう、と思ったからである。私自身、白票で出したのは初めてのことだ。

「比例代表」の方は政党名で出した。奥方も私と同じように選挙区の候補者がわからないので白票を、「比例代表」は主婦仲間の友人から頼まれた候補者に入れたと言っていた。

白票で出すことがいいかどうかわからないが、少なくても投票率で意思表示することは可能だ。

なので、投票に行かないよりはましだと思っている。投票率が上がれば、候補者や政党に圧力をかけられる。18歳や19歳の若者たちがもっと投票に行くようになれば、政治家たちも無視できないだろう。

白票でも、政党や候補者はこの投票率の結果を見て、若者の方が多ければ教育費の無償化や待機児童などの政策を前面に掲げてくるだろうし、高齢者が多ければ年金や介護、医療費などの社会保障費などの政策を前面にした公約を出してくる。

適当な候補者や政党がいない、あるいはわからないならば、せめて投票ぐらいには行って、白票を投じ、投票率だけでも変えるぐらいはして欲しいと思っている。特に若者は、せっかく選挙権年齢が引き下げられたのだから、その権利ぐらいは行使して欲しいと願っている。

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介


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