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【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第88回 ねずみ大根蕎麦 2021年2月18日配信

私は映画が大好きでよく観る。邦画では特に時代劇が好みだ。

1~2年前までは映画館でも観ていたが、最近はコロナ禍のため足が遠のき、昨年末購入した4Kの大型テレビで在宅鑑賞している。

時代劇で特に記憶に残っているのは、三船敏郎&黒澤明の『用心棒』と『七人の侍』である。

ここ数年では真田広之の『たそがれ清兵衛』、田中麗奈の『山桜』、正月に二度も観に行った木村拓哉の『武士の一分』、それにあの半沢直樹で時の人となった境雅人の『武士の家計簿』などが記憶に新しい。

これらの時代劇映画の原作は、藤沢周平や池波正太郎などの江戸を描いた作品が多い。深夜に時々観る藤田まことの『剣客商売』も原作は池波正太郎である。

刀を振り回し悪人を懲らしめる昔ながらのチャンバラものは今ではなりを潜め、江戸時代の下級武士や庶民の生活を描いた、現代のサラリーマンにも通ずる哀感が漂う作品が多い。

最近、テレビで観た『鬼平外伝 正月四日の客』という時代劇がとても印象に残っている。

メインキャストに柄本明や松平健らのベテラン俳優が顔を揃えシリアスな演技を見せてくれた。

これも原作は池波正太郎で、あらすじはこんな感じだった……。

本所の枕橋に小さな蕎麦屋(名前は「さなだや」)がある。主の庄兵衛(柄本明)のこだわりで、毎年正月は三日まで休み、四日目に店を開ける。その日のお品書きは「ねずみ大根蕎麦」だけである。客は激辛の「ねずみ大根蕎麦」を敬遠し誰一人として訪れない。

主の意図はわからないが、「本当に蕎麦好きなら四日も来い!」とでも言いたかったのかもしれない。

そんな正月明けの四日、身なりの良い商人風の客(松平健)が入ってきた。男は淡々と「ねずみ大根蕎麦」を平らげ、これは毎年、この日にしか食べられないことを知ると、来年四日にまた来るとだけ告げて帰っていった。以来、男は決まって正月の四日に訪れるようになった。

男との不思議な交流が何年か続いたある日、亡くした主の女房の仏壇にお線香をあげてくれることに。ふと気が付くと、男の伸ばした腕の裏側に「べっ甲」の入れ墨があるのを見てしまった。

男は、この「ねずみ大根蕎麦」は、昔恩人から食べさせてもらった生涯忘れられない味であるとだけ話して店を後にした。月日は流れる……。

ある時、たまたま蕎麦を食べに来た御用聞きから、今、江戸で右腕に「べっ甲」の入れ墨がある盗賊が暴れ回っていることを耳にする。噂では押し込み強盗を働いた上、女子供まで殺してしまう極悪残忍な奴とのこと。

それを聞いた主は男への親愛の情が怒りに変わり始めた。そして、とうとう入れ墨のある客人を役人に密告してしまうのだった。男は静かにお縄にかかり牢屋へ。

しかし後で聞けば、入れ墨は確かに自分と同じものだが、自分は決して女子供を殺していない、それは噂に過ぎないと話すのだった。

主はその告白を信じ、自分がもしかしたら早合点してしまったのではと悔やむ。そして処刑される最後の日、男の“忘れられない味”となった「ねずみ大根蕎麦」を牢屋まで運び、最後の別れをすることに……。

この映画には本当に引き込まれた。久々に心に残る名作に身震いを感じたほどである。

柄本明の物静かで口数が少ない蕎麦屋の主の名演技が光っていた。いつもは暴れん坊将軍役で活発な立ち振る舞いが目立つ松平健も、いつもの役どころと真逆でクールな盗賊役が素晴らしい雰囲気を醸し出していた。

これからも、こんな日本映画は何本も観たいものである。

さて、ストーリーの柱として取り上げられていたのは、「ねずみ大根蕎麦」である。

私はこの映画を観るまで「ねずみ大根蕎麦」など聞いたこともなかった。
蕎麦打ちが趣味の友人に聞いたらちゃんと知っていた。

山国の痩せ地で育ち、ねずみのような形をした大根らしく、それをすりおろして蕎麦つゆで食べるところから「ねずみ大根蕎麦」(別名「さなだ蕎麦」)と呼ばれているそうだ。

今では普通に口にすることはないが、食べさせる蕎麦屋さんはあるとのこと。
「ただ、舌がひん曲がるほど辛いよ~」と教えてくれた。

皆さんにも、「生涯忘れられない味」というのが一つや二つあるのではないでしょうか? 

私の場合は少年期に実家で食べた「ナスのけんちん」がある。
ナスを油で炒めた後、醤油と砂糖で甘辛く煮た素朴な田舎料理である。
おふくろが生きていた頃は、帰省したときにいつも作ってもらったものだ。

今はもう私の忘れられないおふくろの味は食べられないが、数年前に新しい「忘れられない味」を故郷で見つけることができた。

それは「サザエのかき揚げ蕎麦」である。打ち立て、茹でたての日本蕎麦に、房総名物のサザエをふんだんに使った絶品のかき揚げがつくのだ。帰郷するたびに同僚や家族を誘っては食べているほどである。

「ねずみ大根蕎麦」とは違い、こちらは途方もなく美味しい味である。
みなさんも、南房総に行かれることがあったら、ぜひご賞味ください!

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介


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