【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第90回 夢は相撲力士だった 2021年4月21日配信

皆さんは、小学生の頃、将来何になりたかったか憶えてますか?

私は、なんと相撲の力士になるのが夢だった。
といっても、それは少年期によくある漠然とした想いであり、単に相撲が大好きだったからに他ならない。

何でもある今とは違い、娯楽の少ない時代に育った私の一番の楽しみは相撲を観ることだった。テレビが家にあるはずもなく、もっぱら銭湯や床屋で観せてもらっていた。

相撲を観戦した日は興奮が冷めやらず、夕飯のときには家族にずっと相撲の話をして、ある時「僕は相撲取りになる!」と宣言したのを憶えている。

それからは、裸になり親父の黒い帯を自分の腰に巻き、相撲取りの真似をしてよく両親に見せたものである。本当に懐かしい思い出である。

なぜ、こんな話をするかというと、最近、テレビのワイドショーで今どきの小学生がなりたい職業ランキングを報じていたからだ。

■小学生の「大人になったらなりたいもの」

<小学生・男子>
1位 会社員
2位 YouTuber/動画投稿者
3位 サッカー選手
4位 ゲーム制作
5位 野球選手

<小学生・女子>
1位 パティシエ
2位 教師/教員
3位 幼稚園の先生/保育士
4位 会社員
5位 漫画家

参考:第一生命保険 第32回「大人になったらなりたいもの」のアンケート調査結果より

日本の男子小学生がなりたい職業の1位はなんと「会社員」である。

私はこれにはとても驚いた。

サッカーとか野球選手あたりではと思っていたところに、唐突に会社員が出てきて、「ヘ~ッ! 今どきの小学生は会社員??」と思わず口に出してしまった。

これは、第一生命保険が、全国の小学生から高校生までの3000人を対象に調査した「大人になったらなりたいもの」からのアンケートだそうだ。調査によると小学生、中学生、高校生の男子はいずれも会社員が1位だった。

多感な少年期にある男子がどうして会社員を選んだのか? もっと憧れる仕事はないのか? 最初は理由がわからなかったが、どうやらこんなことらしい。

『コロナ禍でリモートワークが進んだ結果、家族が家の中で過ごす時間が増えた。いつもはスーツ姿でカッコよく出かけて行く父親や母親も在宅勤務になり、自宅で一緒に過ごす時間が多くなった。会社員は家族が一緒に過ごせる楽しい職業……』とテレビでは報じていた。

少しは納得したが、逆に会社員を単純に楽な職業と思ってしまったのかもしれない。穿った見方だろうか。

ランキングには新しい職業もランクインしている。2位はなんと「YouTuber/動画投稿者」である。これには、まさに今どきの職業だなぁと感心させられた。

4歳になる双子の孫達も、我が家に遊びに来ると常にスマホをいじくりまわしている。スマホさえ持たせておけば何時間でも夢中になって遊んでいる。そんな今どきの子供達が将来なりたい職業として、YouTuberは納得である。

ランキングでは3位にようやく、私が思い浮かべていたサッカー選手が出てきた。

女子小学生の1位はパティシエである。2位は教師/教員で、3位が幼稚園の先生/保育士だった。

こう見ると、女子も夢は夢として、確実にリアルな将来像や現実を思い浮かべているような気がする。

ところで、世界の子供達はどんな将来を思い描いているのだろうか? と思い、世界の子供がなりたい職業を検索してみた。

■子供のなりたい職業(世界11か国)

1位 医者・看護師
2位 技術者・エンジニア
3位 学校の先生
4位 コンピュータープログラマー
5位 YouTuber

参考:スプリックス基礎学力研究所調べ

これは、世界11か国(日本、米国、中国、インド、イギリス、フランス、ポーランド、タイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー)の6~15歳の子供、1万1000人を対象に調査したものである。

そうだ! これが私の思い描く「将来の夢」である。人のためになる職業が多い、また私も元はコンピュータープログラマーだったから、これも嬉しい。

テレビのドキュメンタリー番組などで、開発途上国の明日の食事にも困っている子供達に将来なりたい夢を尋ねると、目をキラキラさせながら医師や学校の先生と答えているのをよく見る。

きっと、あの子供達は努力の結果、夢の職業に就いてたくさんの人を助けたり、教えたりと活躍していることだろう。

日本はいつからこんなつまらない国になってしまったのだろう。我々大人は日本国をもっと夢のある国にすべきではないか?

何ができるのか考えてみよう。

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介


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