【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~

第93回 人のふり見て我がふり直す 2021年7月21日配信

昔から我が家の電気製品は「街の電気屋さん」で購入すると決めている。

自宅近くにある個人経営のPanasonic販売店のことである。つい最近も65インチの4K液晶テレビを購入したばかりだ。これで液晶テレビは3台目になろうか。

冷蔵庫、掃除機、炊飯器、エアコンなども言うに及ばず、自宅にある家電は、ほとんどこの「街の電気屋さん」から購入している。自分ではいいお客だと自負している。

本当はAmazonや大型量販店などで買えば、もう少し性能が良い機種や安価な製品も見つかりそうだが、多少値段が張っても愚直にここと決めている。しかもメーカーはPanasonic一本やりである。十数年間ずっ~とそうしてきた。

なぜか? 理由は簡単で、自宅近くにある「街の電気屋さん」なら、どんな製品でも購入後のサポートや修理が電話1本で済むし、Panasonicというメーカーであれば後々の補修用部品の保有期間なども長そうな信頼感を持っているからである。

大型量販店やネットで購入した場合、アフターケアが実に厄介である。サポートを受けるためには保証書などをきちんと保存しておかなければならない。またメーカーのコールセンターは何度電話してもつながらないことが多い。

ようやくかかったと思うと、忌々しい音声案内メッセージを最後まで聞かなければならない。場合によってはサポートをたらい回しにされることもある。これまで幾度となく嫌な思いをした。そんなわけでコールセンターにはあまり連絡したくない。

そこが「街の電気屋さん」ならわからないことは何でも助けてくれる。これは私のわがままかも知れないが……。とにかく年を取るとこうなるのである。

最近もこんな経験をした。

購入したばかりの4Kテレビで問題が起きた。最近のテレビでは、これまでパソコンで観ていたYouTube動画なども大画面で観られる。手元のリモコンから音声認識で操作でき、パソコンが難しいユーザーでも簡単に扱えるようになっている。

その購入したばかりの4Kテレビで、ある日突然YouTubeが操作できなくなってしまったのだ。エラーメッセ―ジには「Wi-Fi接続が切断されました」と表示された。テレビ本体やWi-Fiルーターなど自分でチェックし、設定をやり直してみたが元通りに動かない。

仕方がないので、またいつものように「街の電気屋さん」へ電話をすることに。ものの30分も経たないうちに店員さんが駆け付けてくれた。そして“サッサー”と設定をやり直し無事に観られるようになった。さすがである。

またある時、エアコンが調子悪くなり、冷えにくくなってしまった。早速彼らに電話すると、今度は店長自らが駆け付けてくれ調子の悪い箇所を点検。今回も30分も経たないうちにメンテ完了となった。

そしてその後のサービスが何ともすばらしい。エアコン内部の清掃とフィルターのクリーニングまでしてくれるというおまけ付きである。この心意気には本当に頭が下がる。

そんなところから、次も彼らのお店から購入しよう、という気になるのだ。

ところが、つい最近こんなトラブルが起こった。

我が家もそろそろ20年以上が経ち簡単なリフォームが必要になった。今回は、以前から調子が悪かったホームエレクトロニクスの修理も依頼することにした。この装置は各部屋のエアコンや照明などを1か所から集中管理するシステムで、スイッチ1つで各部屋の装置がon/offできる優れものである。

しかし、古い機種のため近頃はスイッチがうまく入らなかったり、コンデンサー不良でランプが勝手に点滅したりする不具合もあった。今では商品自体が製造停止になり、補修用の部品もないということなので、もし直らないなら修理は諦め、装置自体を廃棄してもいいと考えていた。

リフォーム全体はリフォーム会社にお願いしたが、この装置はPanasonic製だったためメンテを請け負う会社も同じ系列の工事会社となった。

しかし、これが「街の電気屋さん」と違って大~きく期待を裏切ることに。

現状の動作状況を告げると、装置自体を調べることもなく、頭ごなしに「あーこれは、うちではできませんね!」と言われた。あまりにもそっけない態度につい文句も出てしまったが、彼はこのメンテは不可能と言い放ち、恐縮する様子もなくそそくさと帰ってしまったのである。

しかしこのままでは困るので、次の日、再びリフォーム会社から今度は別の工事会社を紹介してもらうことに。来訪した会社はメーカー系列ではなかったがメンテを専業にしているとのことだった。

挨拶もそこそこに、現在の状況を説明すると早速天井裏へ入り込んで配線などを調べることに。そして数十分後には、もしかしたらこうすれば修理はできるかもと、違う角度からの前向きな提案をしてくれた。「ブラボー!」である。

結局は2番目に紹介してくれた独立系の“普通の会社”に修理をお願いすることとなった。同じ工事会社でも会社の方針や担当者個人の考え一つでビジネスのやり方がここまで違うのかと、改めて認識させられることになった。

この話には落ちがあった。

今度は夏に備えて我が家のエアコン8台のクリーニングを「街の電気屋さん」へ依頼することにした。

しかしその際に紹介してもらった請負会社が、なんとあの冷たくメンテを断った会社と判明。いくら「街の電気屋さん」経由でも彼らとはもう2度と関わりたくなかったので「ハッキリ」とお断りし、代わりにハウスクリーニングをお願いしているダスキンさんへバトンタッチすることにした。

こうして、工事会社はエアコン・クリーニングの仕事を失うことになり、同時に「街の電気屋さん」も巻き添えを受ける結果となってしまったのである。

信用というのは実に重要なことである。

今、当社の商品やクラウドサービスのサポートやアフターケアも、ほとんど当社のグループ会社に依頼している。もしどこかでお客様の信用を損なうことがあると、サポートの仕事ばかりでなく、本社のクラウドサービスまでも失注する可能性がある。

そんなことを考えたら、ぶるっと震えがきた。

今回の「街の電気屋さん」の系列会社のサポートを体験し、まさに、「人のふり見て我がふり直す」を実感することになった。

株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介


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