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【コラム】『ロマンとそろばん』~ソフト会社CEOの独り言~
第99回 私のお気に入り 2022年1月19日配信
このコラムも今回で99回目、いよいよラス前となった。最終回のテーマはもう決まっているが、今回は何を書こうか?
「人権侵害」「チベット」「政治的ボイコット」などの一番言いたいことを準備していたところ、コラムのアシスタントから横やりが入った。
「今回は、時事や政治ネタはやめましょう。前回の選挙ネタもヒヤヒヤしましたからね。ラス前ですから、重くない明るい話題が良いと思いますよ」と先手を打たれてしまったのだ。
これまで書きたいことを自由に書いてきたが、まあラス前なので言われてみればそうかとも思う。
そこで今回は、私の身の回りにある「お気に入り」に焦点を合わせた。何度かこのコラムでも述べてきたが、私は田舎育ちである。
物のない時代に生まれ、贅沢なものを食べたことも見たこともない一人の青年が千葉の田舎(南房総)から出てきて、都会の生活に感動し、知らないことを一つずつ、いつも恥ずかしがりながら、時にはドキドキしながら、そして楽しんで身に付けてきたのだ。
生まれ故郷を離れてからすでに50年以上経ち、もう田舎者ではなくなったと思うこともある。
そんな毎日の中で大事にしている、私の好きな「お気に入り」を紹介しよう。
1. 浅草 うなぎ 小柳
気取ってなくていつも変わらぬ美味しさのうなぎ屋である。1926年(大正15年)創業で、まもなく100年目を迎える歴史があるお店だ。また、ここはNHKの朝ドラ「こころ」のモデルになった店でもある。
通勤で使っているつくばエクスプレスの浅草駅から徒歩5分ほどで行ける場所にある。
途中には昔懐かしい浅草演芸ホールや浅草公会堂がある。小柳にはもうかれこれ20年近くも通っているだろうか。改築前、2Fに通されたとき“ちゃぶ台”に似た座卓で食べたのは懐かしい思い出だ。
値段はま~ま~リーズナブルだ。奥方とは3~4回食べに行っただろうか? 最近では新聞社の社長さんと訪れた。
うなぎを待つ間に頼む「ぬた」や「鰻巻き」などがすこぶる美味しい。鰻重は甘ったるくないたれ、緑色の山椒を振りかけて食べる。最高のご馳走だ。
2. 柏 高島屋 AGIO(アジオ)
次もまた飲食店の話。私の地元、柏高島屋にある欧風マーケットレストランAGIOである。
店内は、どこか海外旅行で訪ねた市場の中にいるような賑やかな雰囲気を醸し出している。
シーフードやステーキの炭火焼きが美味しい。いつも真っ先にオーダーするのが、看板メニューのエスカルゴの香草焼きとタコのガーリック焼きである。
円形状の陶器プレートに載せられたアツアツのエスカルゴやタコをバゲットの上に載せ、“フーフー”しながら食べる。
お勧めはズワイガニのトマトクリームソース・パスタ。メインディッシュではたいてい牛リブロースの炭火焼きグリルを注文する。
AGIOは、我が家で何かおめでたいことがあるときに使う大事なお店だ。
3. 秋葉原 竹隆庵岡埜(おかの)こごめ大福
当社のお客様のところへお伺いする際、必ずと言っていいほどお土産として持参するのが「こごめ大福」である。
岡埜は入谷にある和菓子屋が発祥で、江戸時代(寛永の頃)根岸に続く入谷近くの茶屋が餅にあんこを包んで出した大福が始まりとのこと。
あんこを包んだ皮が白いうるち米と、やや緑がかったよもぎの2種類あるが、私はいつも自分用にもお客様用にも白の大福を選択する。
「こごめ大福」はずっしりとした重さがある。何と言ってもその粒あんが甘過ぎず、そして豆の味がしっかりして上質なのだ。さらに注文すれば、昔ながらの竹籠に包んでくれる粋なサービスもある。
2021年最後の出社日には、社長から社員全員に配られた。大好評である。
4. 絶対美味しいスペイン産の赤ワイン テンプラニーリョ
この名前、皆さんあまりお聞きになったことがないかも?
3年ほど前、とあるワインバーのオーナーに勧められて飲んだのがこのワイン。
葡萄の品種はテンプラニーリョ「エル・ヴィンクロ 2012」である。今では気軽に「テンプラ、テンプラ」と呼んでいる。
最初のときは、スペイン産? と聞いて少々テイストを疑いつつオーダーした赤ワインだが、これが絶品なのである。
口に含んだときの第一印象や、重みといい、香りといい、まるでプロに勧められて飲むような味わいの深いワインだった。
一方で値段はかなりリーズナブル、安心して飲めるから嬉しい。あまり強くないのについ美味しさと値段につられてボトルごとオーダーしてしまう。
昨年11月18日、ボジョレーヌーヴォーが解禁されたときは、ボジョレーを買いに行ったのを忘れ、ついついスペイン棚で見つけたテンプラニーリョの方に手が出てしまった。
テンプラは、私の一番のお気に入りワインである。
5. 高橋の手帳
最後は食べ物ではなく、私がかれこれ30年近くも愛用している高橋書店の手帳の話である。高橋書店の創業は古く1954年(昭和29年)とのこと。
毎年使い続けていて、30冊近くにもなってしまった。必ず買うのは、No.73ニューダイアリー(2,000円)である。
なぜこんなに長く愛用しているかといえば、やはり使い易さと何年経っても決して変わらないフォーマットなど安心感があるからだ。
最近は手帳を持たずにすべてをスマホで管理できることはもちろんわかっている。
しかし違うんだ、やはり自分の好きな書き方で予定やメモ、そして暗号のようなマークを書き、いつだってぱっと開いて確認できる。
高橋の手帳は重要なビジネスツールだ。
ここまで書いて気付いた。そう、私のお気に入りは近場にある「老舗」や長年変わらず使い続けている「リピート商品」が実に多い。
長い人生ではかなり高級なレストランにも行ったことはあるし、超高級ワインだって飲んだこともある。もちろんどれも美味しく気分は最高だ。
しかし、「また行きたい」「誰かに紹介しよう」となるところは案外少ない。
テンプラニーリョや高橋の手帳にしても、今の生活を安心して過ごせる持続可能な毎日が約束されているからこそ、楽しいし繰り返し使うのである。
リピートとはなんと素晴らしい行為なのだろう。
飛躍して、当社のことを考えると、「またインターコムのサービスを利用しよう」「またインターコムに相談してみよう」と言っていただける企業になりたいとつくづく思う。
株式会社インターコム
代表取締役会長 CEO 高橋 啓介
設立40周年動画
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