添付ファイルを圧縮しても送れない原因は? 対処法も紹介
添付ファイルを圧縮しても取引先に送れないケースが多発して、メール業務に支障をきたしていませんか。このような問題を解決するには、添付ファイルのサイズダウンや代替手段の活用など、適切な手段を選択する必要があります。
今回は、添付ファイルを圧縮しても送れない原因と対処法について解説します。
添付ファイルを圧縮しても送れない原因は?
添付ファイルを圧縮してもメールで送付できない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。主な原因として下記の3つがあげられます。
原因① 受信側でメール受信サイズに制限がかかっている
送付側が添付ファイルを圧縮している場合でも、相手方の受信サイズに上限があれば、容量オーバーのメールは受信を拒否されます。
実際に、受信メール1通あたりの容量を制限している企業は少なくありません。大容量のメールを頻繁に受信していると、メールサーバーに負荷がかかるためです。
受信サイズの上限は企業によって異なります。メール受信に支障をきたさないように、 添付ファイルの容量はおおむね2MB以内に収めるのがメール送付のマナーです。
ただし、添付ファイルは送信時に自動でエンコードという変換が行われ、ファイルサイズが約1.3~1.5倍までに増える可能性があります。エンコードとは、すべてのデータをテキストコードに書き換える処理です。
そのため、送信側は添付ファイルをサイズ調整する際に、エンコードでファイルサイズが大きくなることも考慮する必要があります。
原因② 受信側のメールボックスの容量が超えている
受信メールを保管するメールボックスには容量制限があります。 そのため、添付ファイルを圧縮して受信サイズの制限内に収めていたとしても、受信側のメールボックスの空き容量が足りなければ送信エラーが発生します。
メール送付が必要な場合は受信側の状況に配慮しながら、メールボックスの空き容量を増やしてもらうように依頼するのもひとつの手です。
詳しくは後述しますが、ファイルサイズの縮小、ファイル共有サービスやクラウドストレージといった代替手段も選択肢としてあげられます。
原因③ 迷惑メールに振り分けられている
受信側のサーバーやメールソフトの設定次第では、迷惑メールに振り分けられている可能性があります。悪意のないメールが迷惑メールとみなされる主な理由は、次の通りです。
- 一度に大量のメールを送信している
- 迷惑メールで多用される短縮URLを記載している
- 飾り文字や煽り文句など、迷惑メールでの使用頻度が多いキーワードが含まれている
- IPアドレスやドメインが、迷惑メール対策団体作成のブラックリストに登録されている
上記に当てはまる場合は、 メール内容や送付方法の見直し、ブラックリストの解除申請 など、必要な対策を講じましょう。
また、 送信ドメイン認証の未設定も、迷惑メールと誤認される一因です。 送信ドメイン認証とは、なりすましメールの防止を目的に、送信元のドメインの信頼性を検証する技術です。迷惑メールのフィルタリングに使用されています。
メールを再送付する際は、認証の対応状況も確認しておきましょう。
添付ファイルのメールが送れない場合の対処法
圧縮しても添付ファイルをメールで送付できないケースでは、どのような対処法が可能なのでしょうか。大きく分けて、次の2つが考えられます。
- 1通あたりの添付ファイルの容量を小さくする方法
- 添付ファイルを代替手段で共有する方法
下記でそれぞれの詳しい内容をみていきましょう。
対処法① ファイルを分けて送信する
添付ファイルを分割し、複数のメールに分けて送信することで、1通あたりの容量を減らす方法です。ただし、データが複数あれば分割して送れますが、 大容量の画像や動画を単独で送りたいケースには対応できません。
加えて、 送受信時の手間も課題となります。 送信側は分割したファイルをメールで複数回、送信しなければなりません。受信側は複数のメールを受信するため、ファイルのダウンロードや整理が煩雑になります。
また、送信回数が増える分、誤送信のリスクも増加します。添付ファイルを分割して送信する場合は、その旨が受信側に伝わるよう、必ずメール本文に記載しましょう。
対処法② 添付画像の解像度を下げて送る
解像度の高い商品画像や、画像の多いプレゼンテーション資料などが添付ファイルに含まれている場合、画像の解像度を下げることでファイル全体の容量を減らせます。
画像に必要な解像度は、用途によって異なります。 印刷用の画像は300ppi程度、Web媒体で使用される画像は72~96ppi程度が一般的です。 ppiとは、1インチ(約2.54cm)あたりのピクセル数(画素数)を表す単位です。dpiとほぼ同じ意味で用いられます。
高解像度が不要な画像は、ピクセル数を減らして解像度を下げても問題ありません。 画像の解像度を下げるための方法として、画像の圧縮やトリミング などがあります。どちらも「ペイント」をはじめとする画像編集ツールで実行可能です。
例えば、画像の縦横サイズをそれぞれ2分の1程度縮小すると、概算でファイルサイズも4分の1程度まで小さくできます。
対処法③ ファイル共有サービスを使う
オンライン上でファイルをアップロードして、ダウンロードURLを共有することにより、受信側がファイルにアクセスするサービスです。保存期限は設けられていますが、大容量のデータを共有できます。
セキュリティ対策を強化する機能として、ダウンロード時にパスワードを設定できるサービスもみられます。この方法であれば、 ダウンロードURLとパスワードを記載するのみのため、メールの容量が大きくなる心配もありません。
なお、無料サービスのなかには、セキュリティ機能が限定的なものも少なくありません。 安全性や効率性が求められる法人での利用には、セキュリティ機能が充実し、なおかつファイル容量の上限も大きい有料サービスが適しています。
対処法④ クラウドストレージを活用する
送付側がアップロードしたファイルをクラウド上に保管し、受信側と共有するサービスです。共有URLを知っていれば、インターネットを通じてアクセスできるので、自宅や出張先からでもファイルを共有できます。
必要に応じて容量を増やせるため、 利用時にファイルサイズが妨げになることはありません。 また、アップロード時のウイルスチェック、2段階認証、アクセス権限の付与など、セキュリティ性の高いサービスも多くみられます。
ただし、セキュリティ対策の充実度はサービスによって異なります。自社の方針やルールと照らし合わせて、セキュリティ要件が合致するサービスを選定することが大切です。
添付ファイルはメールで送らない方が良い?
これまで、添付ファイルのメール送付におけるセキュリティ対策は、パスワード付きzipファイルとパスワードを別に送付する「PPAP」方式が主流でした。
しかし、同じメールアドレスにメールを別送する場合、同一の通信経路を使用することに変わりありません。 1通目が盗聴されれば、2通目も盗聴の危険性があります。 PPAPの脆弱性が示唆されているのはこの点です。
さらに、パスワード付きzipファイルは中身が暗号化されるため、 一般的なウイルス対策ソフトでは、ファイル内部までスキャンできない可能性があります。 結果として、ウイルス感染リスクは高くなるのが実情です。
セキュリティ面の甘さを突かれ、パスワード付きzipファイルは、組織や個人を狙う標的型メールにも悪用されてきた経緯があります。その影響で、 官公庁や企業でもパスワード付きのzipファイルに対する警戒感が強まっています。
上記の理由から、ビジネスシーンにおけるファイル共有の安全性を高めたいのであれば、メール以外の手段も検討するのが得策といえます。
PPAP問題については、下記の記事で詳しく解説しています。
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まとめ
添付ファイルを圧縮してもメールで送付できない原因は、受信側の環境のほか、送信メールの内容や送信ドメイン認証の未設定なども考えられます。対処法として、添付ファイル容量の縮小やメール以外の代替手段も有効です。
PPAP廃止の動きが加速するなか、ファイル共有のセキュリティ強化策として、ファイル共有サービスやクラウドストレージなどの活用も、ぜひ社内で検討してみてください。