メールの情報漏洩が起きる原因は? 企業での対策についても解説

メールはビジネスに欠かせないコミュニケーションツールであるものの、ヒューマンエラーによる事故は依然として多く発生しています。ちょっとした注意不足で情報漏洩が起こってしまうのは避けたい事態です。今回は、メールの問題点を見つめ直し、情報漏洩が起こる理由やリスク、対策について解説します。
メールの情報漏洩が起きる原因

なぜメールによる情報漏洩が起きてしまうのか、主な原因を5つ取り上げます。
原因① 宛先の指定ミス
メールからの情報漏洩の原因の1つは、宛先の指定ミスです。名刺から直接入力する際や、登録されたアドレスの検索時に誤って同姓の別人を間違えてしまうことがあります。
宛先を間違えることで、意図せずして機密情報が第三者の手に渡ることになり、企業や個人にとって取り返しのつかない損害をもたらすことがあります。
特に、似た名前のアドレスが多く存在する場合や、送信先リストに多くのメンバーが含まれている場合は、ミスを起こしやすくなります。さらに、誤送信に気づいたときには、すでに手遅れになっている場合も少なくありません。
原因② 添付ファイルのミス
添付ファイルのミスも情報漏洩の原因の1つです。取引先に送付するはずのファイルの選択を誤って、社内で共有されている情報が含まれたファイルを送ってしまうと、自社の重大な情報の流出につながります。
自社の情報漏洩リスクのほかに、誤って他社の情報を公開してしまうリスクもあります。例えば、請求書などのA社に送るべきファイルを、誤ってB社に送ってしまうようなケースです。他社にも迷惑をかけてしまい、信用が損なわれてしまいます。
特に、似たようなファイル名で保存している場合は、人為的ミスが発生しやすくなります。
原因③ マルウェア付きメールの受信
マルウェアとは、悪意を持ったソフトウェアのことです。マルウェアには、書き換えられたプログラムで感染する「ウイルス」、自己複製型の「ワーム」、正常なソフトウェアを装う「トロイの木馬」、身代金を目的とした「ランサムウェア」などがあります。
メールからの情報漏洩は、悪意のあるソフトウェアが埋め込まれたファイルの受信でも発生します。添付ファイルをダウンロードしたり、メール本文のリンク先にアクセスして情報を入力したりした際などに感染する仕組みです。
原因④ ルールの徹底不足
セキュリティ対策の一環として、メールの送受信に関するルールを設けている企業もいるでしょう。しかし、従業員一人ひとりが日々そのルールを徹底していな ければ意味がありません。
例えば、メール送信時に宛先や添付ファイルを二重チェックするという基本的なルールが守られていないと、意図しない宛先に重要な情報が送信されるリスクがあります。また、同様に添付ファイルを間違えて送信してしまうことも、特に個人情報や機密情報を含む場合、重大なセキュリティ事故につながりかねません。
原因⑤ 従業員の不正
従業員による故意の情報漏洩は、企業のセキュリティにおける最大の脅威の1つです。特に、悪意を持った従業員が機密情報を不正に流出させるケースは、内部からの攻撃ともいえるため、外部の攻撃とは異なる深刻な問題を引き起こします。
こうした行為は、企業の信頼を著しく損ない、顧客との関係にも悪影響を与える可能性があります。例えば、従業員が顧客情報を不正に持ち出し、競合他社に提供することで、顧客の信頼を失い、取引先との関係が悪化する恐れがあります。
また、従業員による情報漏洩は、企業にとって法的なリスクも伴います。個人情報保護法などの法令に違反することで、行政からの指導や罰則を受ける可能性があり、最悪の場合、企業の存続に関わる事態となることも考えられます。
メールの情報漏洩によって起こりうるリスク

メールから情報漏洩が起きることで発生する可能性があるリスクを2つ取り上げます。
リスク① 信用が低下する
顧客情報や機密情報の漏洩は、企業の信用に直接的な打撃を与えます。一度情報漏洩が発覚すると、その企業に対する信頼は一気に失われ、取引先や顧客の不安が高まります。
特に、漏洩した情報が顧客にとって重大なものであれば、その影響は計り知れません。顧客の信頼を回復するには時間がかかり、売上の低下や契約の減少につながることもあります。
さらに、企業のブランドイメージも大きく損なわれ、長期的な影響として新規の取引先を獲得することが難しくなる場合もあります。こうした信用失墜は、事業運営にとって致命的なリスクとなり得るでしょう。
リスク② 損害賠償を請求される可能性がある
重大な情報の流出は、自社だけでなく、関連する取引先などにも影響を与えます。被害が拡大してしまった場合は、損害賠償を請求されるリスクも考慮しなければなりません。
過去には、プライバシーの侵害により損害賠償が確定した事例や、不正競争防止法に基づき、利益を不当に得たとして損害賠償が認められた事例などがあります。
流出した情報の内容や種類によっては、企業の存続にまで影響を及ぼすおそれがあるため、注意が必要です。
メールの情報漏洩対策

メールの情報漏洩を防止するために有効な対策を5つ紹介します。
対策① ルールを徹底する
企業によっては、メールセキュリティに関するルールが不十分なことがあります。
そのため、まずは企業全体で適切なメールセキュリティポリシーを策定することが重要です。セキュリティポリシーには、パスワード管理の方法や送信前の二重チェック、ファイル添付の制限など、セキュリティを強化するための具体的な規定を盛り込みましょう。
また、セキュリティポリシーがしっかりしていても、実際に守られなければ意味がありません。メールの情報漏洩を防止するには、セキュリティポリシーを策定するだけで満足せず、従業員に対する教育も徹底しましょう。従業員の意識を変えていくことで、人為的なミスの低減が期待できるほか、故意でないメールによる情報流出の防止にも役立ちます。
経営陣も含め、組織全体でセキュリティ対策に取り組むことが重要です。
対策② 誤送信防止機能を使用する
Microsoft OutlookやGmailなどをはじめとするメールソフトには誤送信防止機能が備わっており、メールの情報漏洩を回避するのに役立ちます。
誤送信防止機能の中でも代表的なのは、送信前の確認機能です。メール送信前にポップアップを表示し、宛先や内容を再確認するよう促すため、誤って送信してしまうリスクを低減できます。
また、一部のメールソフトでは、送信後数十秒以内であれば、送信したメールを取り消せる機能も提供されています。
一方、宛名自動補完機能には注意が必要です。この機能は、メールアドレスを入力すると候補を自動表示し、宛先を素早く選択できます。しかし、登録しているアドレスが多いと、誤って送信先を選んでしまうリスクが高まります。
誤送信を防ぐためにも、特に多数のアドレスが登録されている場合は、宛名自動補完機能を無効化することをお勧めします。
対策③ セキュリティ機能を使用する
メールソフトのセキュリティ機能やセキュリティソフトの導入で、メールセキュリティを高める方法もあります。セキュリティ機能の導入は、マルウェアの受信を防止するのに有効です。
マルウェアを含むなど怪しいと判断された受信メールは、受信箱に送られることなく、迷惑メールに振り分けられます。受信箱に放置されたままにならないため、誤ってメールを開く心配がありません。メールを開く前に脅威を排除できます。
対策④ メールを暗号化する
メールの暗号化とは、メールの本文やメールに添付するファイルを第三者が解読できないようにすることです。暗号化されたメールは、受信者に共有された鍵を利用することで解読できる状態になります。
メールを暗号化することで、通信経路上で傍受されたり不正アクセスされたりした場合でも、情報の機密性が保たれます。万が一、情報が流出したとしても被害を低減できるため、メールの情報漏洩の防止に有効です。対策⑤ メール以外の方法を取り入れる
重要な情報のやり取りについては、メール添付を利用しない方法もあります。例えば、メールの代わりにオンラインストレージやファイル共有サービスを利用するといった方法です。
メール以外の手段を利用することで、宛先の選択ミスやマルウェア付きの受信メールの開封など、メールの送受信で発生しやすいリスクを低減できます。
ただし、メール以外の手段でやり取りする場合であっても、セキュリティリスクは多少なりとも存在する点には注意が必要です。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、信頼性の高い通信ツールの使用、定期的なパスワード変更、二要素認証の導入など、基本的なセキュリティ対策を日常的に実践することが重要です。
まとめ
メールの本文や添付ファイルの情報漏洩は、宛先の指定ミスや添付ファイルの選択ミス、マルウェア付きのメールの受信などに起因しています。
情報漏洩が起こると、取引先などからの信用の低下や売上の低下につながる可能性があるほか、重大な情報の流出は損害賠償の問題にも発展する可能性があります。誤送信防止機能を活用したり、メール以外の方法を検討したりするなどの対策が必要です。
メール以外の方法で重要なデータのやり取りをするなら、「Final Document」の利用をご検討ください。
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