メールでPDFを送れない……。 原因と対処法を紹介
PDFファイルを添付したメールが送れない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。PDFはビジネスでも広く活用されているだけに、うまく運用できないと業務に支障が出てしまいます。そこで今回は、PDFファイルをメールで送れないときの原因をはじめ、PDFの容量を抑える方法、それでもメールで送れない場合の対処方法について解説します。
メールでPDFを送れない主な原因は容量オーバー
PDFファイルを添付したメールが送付エラーになる主な原因は容量オーバーです。
PDFの利点のひとつに、WordやExcelなどのファイルを圧縮し、小さなファイルサイズで保存できることです。ただし、 文書の内容によっては、メール送信時に容量制限を超えるほどファイルサイズが大きくなる場合があります。
PDFのファイルサイズが大きくなる主な要因は、次の通りです。
- 大量の画像や高解像度の画像の使用
- データの大きなフォントの埋め込み
- ページ数の多さ
添付ファイルの最大容量は、メールサービスごとに異なります。下記の代表的なメールサービスの規定に照らし合わせると、添付ファイルの容量は25MB以下がひとつの目安です。
Gmail | 添付ファイルの容量は最大25MB |
---|---|
Outlook | 添付ファイルを含めて最大25MB |
したがって、メールにPDFファイルを添付して送信する際は、送信先のメールサービスの規定を確認し、最大容量を超えないようファイルサイズを調整する必要があります。
容量を抑えてPDFのまま送る方法
大容量のPDFファイルが原因でメールを送れない場合、ファイルのサイズを縮小することで送信できる可能性があります。ここでは、PDFファイルの容量を抑える方法を4つ紹介します。
方法① PDFをさらに圧縮する
Adobe Acrobatオンラインツールを使用して、PDFファイルをさらに圧縮する方法です。 ページ数を削ったり、ファイルを分割したりせず、単にファイルサイズを軽量化したい場合に適しています。 ただし、圧縮レベルが上がるほど画質は低下します。
Adobe AcrobatでPDFを圧縮
- Adobe Acrobatオンラインツールの「PDFを圧縮」ページを開く
- 圧縮したいPDFをアップロードする
- 圧縮レベルを「高圧縮」「中圧縮」「低圧縮」の3段階から選択する
- 圧縮後、ダウンロードして保存する
圧縮レベルの目安は、「高圧縮」が標準画質の最小サイズ、「中圧縮」が高画質の標準サイズ、「低圧縮」が最高画質の大サイズです。表示される推定ファイルサイズも参考に、用途に応じて圧縮サイズを決めましょう。
方法② PDFを分割する
画質を下げたくないときは、PDFファイルを分割して送付する方法もあります。具体的な分割方法として、下記の3つを紹介します。
Adobe Acrobatでページを分割
- Adobe Acrobatオンラインツールの「PDFを分割」ページを開く
- 圧縮したいPDFをアップロードする
- ページの間に「切り取り線」が表示されるので、分割したい箇所で「切り取り線」をクリックする
- 分割する箇所を指定できたら「保存」をクリックして、ファイルをダウンロードする。必要に応じて、ファイルの名前を変更する
ブラウザーで分割する方法
- PDFファイルをブラウザー上で開く
- 「印刷」アイコンをクリックする
- 保存先として「PDFに保存」を選択する
- ページ指定で分割したいページ数を入力する
- ファイル名を指定して保存する。必要に応じて、ほかのページも分割する
例えば10ページの文書を前半3ページと後半7ページに分ける場合、1つ目のファイルは「1-3」、2つ目のファイルは「4-10」とページを指定して、それぞれ保存します。
プレビューで分割する方法(Mac)
- MacのプレビューアプリでPDFファイルを開く
- 「表示」メニューからサムネイルを表示させて、分割したいページを選択する
- ページを選択できたら、出力先のフォルダへドラッグ&ドロップする
- ファイル名を指定して保存する。必要に応じて、ほかのページも分割する
例えば10ページの文書を前半3ページと後半7ページに分ける場合、1つ目のファイルは、サムネイルで1~3ページを選択して保存します。その後、サムネイルで4~10ページを選択して2つ目のファイルを保存します。
なお、 この方法のデメリットは、メールの送信回数が増えるため、送付漏れや誤送信の発生リスクが高まる点です。また、送信作業の負担がかかるだけでなく、ダウンロードやデータの整理などで受信側の手間も増加します。
方法③ PDFの不要な部分を削除する
PDFファイルに含まれる不要なページの削除も、ファイルサイズの軽量化に有効です。
Adobe Acrobatでページを削除
- Adobe Acrobatオンラインツールの「PDFを圧縮」ページを開く
- 圧縮したいPDFをアップロードする
- 削除したいページを選択する
- 不要なページの削除を確認できたら「保存」をクリックして、ファイルをダウンロードする
ブラウザーでページを削除する方法
- PDFファイルをブラウザー上で開く
- 「印刷」アイコンをクリックする
- 保存先として「PDFに保存」を選択する
- ページ指定で残したいページのみを入力する
- ファイル名を指定して保存する
プレビューでページを削除する方法(Mac)
- MacのプレビューアプリでPDFファイルを開く
- 「表示」メニューからサムネイルを表示させる
- 削除したいページを選択して、「編集」メニューの「削除」をクリックする
方法④ PDFから一部のページを抽出する
該当するページを抽出することで、メール送信が可能なファイルサイズに収まる場合があります。PDFファイルの限られたページのみを送付すれば良いときにお勧めの方法です。
その際、 わざわざ編集ソフトを使用する必要はありません。ブラウザーの印刷機能でPDFの送付したいページのみを保存すれば、簡単に抽出できます。
PDFの容量を抑えてもメールで送れないときは?
PDFのファイルサイズを小さくしてもメールで送れないケースでの対処法を紹介しましょう。
ブラウザーのキャッシュをクリアする
GmailやWEB版Outlookなど、ブラウザー上で送受信するWEBメールでは、キャッシュやCookieが、PDFファイルの添付メールを送れない原因となる可能性があります。
この際の解決策は、ブラウザーの設定からキャッシュやCookieのクリアを実行することです。Google ChromeとMicrosoft Edgeのそれぞれで手順を紹介します。
Google Chrome
- Google Chromeを開いて、右上の3点リーダーを選択する
- 一覧から「閲覧履歴データを削除」をクリックする
- 任意の期間を選択する
- 「閲覧履歴」「Cookieと他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」をチェック後、「データを削除」をクリックして完了する
Microsoft Edge
- Microsoft Edgeを開いて、右上の「…」を選択する
- 「設定」をクリックする
- メニューから「プライバシー、検索、サービス」を選択する
- 「閲覧データを削除する」セクションの「今すぐ閲覧データをクリア」内にある「クリアするデータの選択」をクリックする
- 「時間の範囲」で任意の期間を選択する
- 「閲覧履歴」「Cookieおよびその他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」をチェック後、「今すぐクリア」をクリックして完了する
メールのアカウント設定を確認する
PDFファイルの添付や送信が問題なく行われるには、メールのアカウントやメールサーバーが適切に設定されていることが前提です。次の項目に不備がないか、使用中のメールサービスで一度チェックすることをお勧めします。
アカウント設定 | ユーザー名、パスワードなどを確認する |
---|---|
メールサーバー設定 | 送信SMTPメールサーバーが正しく設定されているか |
そのほか、セキュリティ対策として、添付ファイルの拡張子が制限されている場合があります。添付ファイルの拡張子を設定できるメールサービスの場合は、「PDF」の指定の有無を確認してみてください。
ファイル共有サービスを利用する
必ずしもメールで送る必要がないケースでは、ファイル共有サービスの利用も検討すると良いでしょう。ファイル共有サービスは、アップロードしたファイルのダウンロードURLを受け手に共有することで、受け渡しができるサービスです。
保存期限内であれば大容量のデータを共有でき、ニーズに応じて容量も増やせるため、 メール送付に伴うデータ容量の問題を解消できます。 場所やデバイスを問わずアクセス可能なことから、利便性に優れている点もメリットです。
そのほか、 パスワード設定や2段階認証などの機能があるサービスを利用すれば、プライバシー保護の面でも利点があります。
まとめ
PDFファイルをメールで送れない原因として可能性が高いのは、ファイルの容量オーバーです。PDFファイルのサイズを縮小する方法として、ファイルの圧縮や分割、削除、抽出があります。文書の内容や用途に応じた選択が可能です。
PDFファイルを添付したメールで送信エラーが続き、業務の負担が増している場合は、セキュリティ強化につながるファイル共有サービスの利用も一考の価値があるでしょう。
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