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テレワーク(在宅勤務)の勤怠管理の課題は? 管理方法やツールの選び方を解説

テレワーク 勤怠管理
テレワーク(在宅勤務)の勤怠管理の課題は? 管理方法やツールの選び方を解説

テレワーク制度を導入している企業では、出社しない働き方に対応できる勤怠管理を行わなければなりません。テレワークの普及率は2023年3月時点で30.0%、東京23区に限定すると51.6%に上ります(2023年4月、内閣府「第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」)。テレワークが広く普及し、定着していく中で、どのように勤怠管理を行っていくべきかは、多くの企業の課題といえるでしょう。
本記事では、テレワークにおける勤怠管理の必要性や管理が難しい理由を解説。併せて、効果的な管理方法や、有効なツールの選び方などについても紹介します。

勤怠管理の必要性

従業員の労働時間や労働日数について規制しているのが、労働基準法です。例えば、第32条では、第1項で「1週間について40時間を超えて、労働させてはならない」とし、第2項で「1日について8時間を超えて、労働させてはならない」と規定していて、週単位・日単位の労働時間に制限を設けています。
また、第35条では「毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」とされていて、1週間の勤務日数は長くても6日以内にするように定めています。これらに違反しないためには、企業が従業員それぞれの勤務時間や休日の取得状況を正確に把握して、適切な勤怠管理を行うことが必須です。

また、第108条には「賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額を記入しなければならない」と賃金台帳の作成義務が定められ、第109条には「賃金台帳や労働関係に関する重要な書類を5年間保存しなければならない」と、その保管義務が規定されています。従業員を雇用した場合は必ず、労働時間や就業日数を集計して賃金台帳に記し、保管しなければなりません。

もちろん、テレワーク時であっても、法律に反することがないように勤怠管理を正確に行う必要があります。
さらに、労働基準法第108条にあるとおり、勤怠管理は給与計算の基礎になるもの。法律を守るためにも、かつ正しい給与計算をするためにも、適切な勤怠管理が必要です。

テレワークでの勤怠管理が難しい理由

テレワークでは、従業員がそれぞれの自宅などで仕事を行います。従来のように事務所に従業員と管理者が集まるわけではない分、下記のような理由で勤怠管理が難しくなるでしょう。

労働実態の把握が困難

テレワークでは、働く姿を他者が直接目にする機会が非常に少なくなります。会議中など一部の時間を除き、勤務状況を管理者が目視で確認することができません。そのため、勤怠管理は自己申告のみという企業もあります。
しかし、従業員全員が正確な報告をするとは限りません。管理者の確認が行えないまま自己申告ベースの管理を行っていると、遅刻の隠蔽やサービス残業の発生といった問題が起こる可能性もあります。

また、自宅で仕事をしていると、平日にしかできない自宅近くの用事のための外出がしやすくなるため、中抜けをする従業員も出てくるかもしれません。出社中の短時間の離席に比べ、頻度や時間が長くなる可能性が高いことから、中抜け時間の把握やルールの策定が必要になってきます。

コミュニケーションがとりづらい

テレワークでは、従業員の勤務状況などを目視で確認することができません。実際に勤務中か、業務の進捗はどうかなどを確認したい場合は、スケジュール表を確認したり、チャットツールや電話など、何らかの方法で本人に確認をとったりすることが必要で、どうしても本人がすぐ近くにいる状況と比べて手間と時間がかかります。「明日いないけどよろしく」「もし◯◯があったらこうしておいて」といった気軽なやりとりも生まれにくいでしょう。

勤怠管理の面でも、ほかの従業員から「◯◯さんは先週金曜日にいなかった」「そういえば早退していた」といった情報が得られにくいため、打刻からわかる勤務状況と実態のすり合わせを直感的に行うことは難しくなります。

成果を出す過程が見えづらく、プロセス重視の評価や勤怠管理ができない

テレワークでは、どのような働き方をしているのか、成果を挙げるためにどのようなプロセスを踏んでいるのかといったことが見えづらくなります。また、残業が多い従業員について、残業時間中に業務に集中できているのか、本当に必要な残業なのかを判断するのも困難です。

これは、テレワークの勤怠管理ではどうしても発生してしまう問題なので、業務時間などのプロセスを重視した評価をしている企業は、テレワークに適した方法に評価基準を見直す必要があります。
しかし、例えば法務・総務・人事といったバックオフィス業務などのように、成果を明確な数字で評価できない業務もあります。さらに、評価基準を変えることについて従業員の理解を得るのも容易ではありません。
テレワークでは、プロセス重視の評価の前提となる公平な勤務状況の確認が難しくなるため、勤怠管理と評価方法の見直しという課題が発生する可能性があるのです。

テレワークでの勤怠管理の方法

テレワーク中の勤怠管理は、勤怠管理システムやログ管理システム、チャットツールなど、様々なシステムやツールを使って行うのが一般的です。「事務所のタイムカードを打刻する」という従来の方法がとれない中、できるだけ正確に勤務時間を管理するためには、下記のような方法があります。

勤怠管理システムによる打刻時間の管理

システム上で出退勤時間を記録できる勤怠管理システムを導入すれば、出社しなくても画面上で出勤や退勤の打刻が可能です。
ただし、勤怠管理システムの打刻で記録される出退勤時間は、あくまでも自己申告です。テレワークでは、打刻された時間に本当に出退勤したかどうか、管理者が確かめることはできません。退勤の打刻をした後でサービス残業をするなど、問題のある働き方が発生する可能性もあるでしょう。

従業員が自主的に行ったサービス残業であっても、企業側が黙認していたとみなされれば、問題視される可能性が出てきます。勤怠管理システムの打刻によって勤怠管理をする際は、実態との乖離に注意しなければなりません。

ログ管理システムなどによる労働時間の把握

ログ管理システムでパソコンの稼働時間を確認すれば、自己申告による打刻のみを確認するよりも、正確に従業員の業務時間を把握できます。

ログ管理システムとは、社用パソコンなどのログオン・ログオフを含めた操作状況を確認できるシステムです。ログオン・ログオフ時間と勤怠管理システムの打刻時間を照らし合わせて差異がなければ、自己申告が正確であることの裏付けになります。反対に、ずれがあったときは、そのずれの原因を確認すれば、実態を把握することが可能です。例えば、パソコンをつけずに電話対応をしていた、パソコンを消し忘れていたといったケースが考えられます。

勤怠管理システムの中には、パソコンのログオン・ログオフ時間も把握する機能がついているものもあります。現在、利用中のシステムにログ監視機能がついている場合は、積極的に活用しましょう。この機能がない場合は、勤怠管理システムと連携がとれるログ管理システムを導入するのがお勧めです。

ログ管理を活用した勤怠管理について詳しくは、下記の記事をご参照ください。

併せて読みたい

タスク管理ツールによる業務状況の把握

タスク管理ツールとは、チーム内のメンバーが抱えているタスクやプロジェクトの進捗状況などを管理・共有できるツールです。
直接的に出退勤時間などを記録できるわけではありませんが、作業の進捗状況を可視化することで、長時間労働などが発生するリスクを事前に把握したり、業務の進め方を再検討したりといった対応がスピーディーにできます。

チャットや電話による報告・相談

チャットツールや電話で始業時間、終業時間を報告するという方法で業務時間を把握することも可能です。業務に関する相談や雑談を併せて行うこともできるため、コミュニケーション不足の解消に役立ちます。

ただし、チャットや電話では、勤怠管理システムのように出退勤時間を記録・集計することができません。報告を基に、別途台帳を作成する必要があります。また、過度な状況報告を求めると、従業員に負担がかかってしまいますので、無理のない運用方法を検討しなければなりません。

Web会議システムの常時接続

テレワーク中の従業員とWeb会議システムで常時つながっていれば、同じ社内で働いているのと同じように勤怠状況の確認を行えます。気軽にコミュニケーションをとることもできるようになるでしょう。

反面、従業員が「監視されている」と感じてしまい、心理的な負担にもつながりかねません。密接なコミュニケーションを必要とするプロジェクトに従事しているあいだだけ接続を行うなど、利用シーンを区切って活用するのがお勧めです。

テレワークの勤怠管理に使うツールの選び方

勤怠管理システムやログ管理システム、タスク管理ツールなどを活用すれば、テレワークでも正確に適切な勤怠管理をすることが可能です。ただし、システムやツールには様々な種類があります。自社に合ったツールを選択しないと、かえって非効率的になってしまう可能性があります。
勤怠管理に役立つツールを導入する際には、下記のような点を考慮して選んでください。

従業員にとって使いやすいものを選ぶ

勤怠管理システムやタスク管理ツールは、実際に利用する従業員にとっての使いやすさが重要です。使いにくいツールの使用を強制されると、業務効率の低下やストレスにつながります。現場目線で、スムーズに使えるツールかどうか検討してください。従業員に対する十分な説明や、疑問点や不安点の解消も大切です。

コストと機能が最適なものを選ぶ

勤怠管理システムやログ管理システム、タスク管理ツールといった各種ツールには、無料で使えるものも有料のものもあります。とはいえ、本格的に勤怠管理に活用したいのであれば、有料ツールを使う必要があります。特に、勤怠管理システムやログ管理システムで一定以上の機能を希望する場合、無料システムでは対応しきれません。
初期費用や月額費用の額はシステムによって異なりますが、高機能のシステムはどうしてもコストも高くなります。自社に必要な機能を検討し、過不足のないシステムを選ぶことがコストの最適化につながるでしょう。

自社の働き方に対応しているものを選ぶ

勤怠管理システムは、自社の働き方に対応したシステムを選ばなければなりません。例えば、自宅や事務所など、特定の場所以外での打刻を認めないのであれば、位置情報による打刻操作の制御機能が利用できるシステムを導入しましょう。
さらに、フレックスタイム制やシフト制などを採用している企業は、自社の働き方に対応できるシステムを選ぶ必要があります。

各ツール間での連携ができるものを選ぶ

勤怠管理システムやログ管理システムが別のシステムと連携できれば、給与計算や勤怠管理の業務効率化に役立ちます。
勤怠管理システムと給与計算ソフトを連携すれば、自動で勤怠状況を取り込み、給与に反映させることができます。また、勤怠管理システムとログ管理システムを連携させて、自己申告の打刻時間と社用パソコンへのログイン・ログオフ時間を照合することも可能です。
現在使用中のシステムや、これから導入予定のシステムと連携をとりやすいシステムやツールを選ぶことをお勧めします。

ツールを活用してテレワークの勤怠管理の課題を解決しよう

インターコムの「MaLion」シリーズには、OSのログオン監視機能が搭載されており、終業時間を超えて労働しようとする従業員に警告を表示することもできます。また、様々な勤怠管理システムとの連携も可能で、たとえテレワーク中の従業員でも、勤怠管理システムの打刻データと「MaLion」で収集したパソコン稼働ログにより、正確に労働時間を管理することが可能です。
労務管理に役立つログ管理システムの導入をお考えなら、「MaLion」シリーズの導入をご検討ください。

「MaLion」シリーズのラインアップ
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