オンプレミスとクラウドサービスの違いと商品の選び方
いざ明細電子化をしようと商品選定を始めると、その種類の多さに驚き、何を基準に選定してよいのか分からなくなる方も少なくありません。今回は選定の第一段階「オンプレミス」と「クラウドサービス」2種類について、それぞれのメリット・デメリットや機能の違いをご紹介します。
「オンプレミス」と「クラウドサービス」とは
オンプレミスとクラウドサービスの違いは一言でいうと自社でサーバーを運用するかしないかです。
もう少し詳しく説明すると、システム構築に必要なサーバーなどの設備を自社内やデータセンターに設置し、自分たちで構築・運用することをオンプレミスと言います。かつては、自社内でシステム構築することが当たり前の時代でしたが、近年、自社でサーバーを構築・運用せずにインターネットなどのネットワークを通じて、サービス事業者が提供するサービスが利用できるようになりました。これをクラウドサービスと言います。
例えるならばこんなイメージ
オンプレミス | クラウドサービス |
自家用車を買う
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レンタカーを借りる
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メリット・デメリット比較
オンプレミス | クラウドサービス | ||
導入 | 費用 | サーバーの購入・設置が必要なため、初期導入費がかかる。 |
サービス事業者の提供するクラウドを利用するため、初期導入費がかからない。 |
---|---|---|---|
作業 | サーバー構築のために、自社内の専門知識を持った人か外注して作業が必要。 |
サーバー手配が不要なため、構築作業は発生しない。 |
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期間 | インフラ機器調達・構築に数週間~数か月かかる。 |
契約後、すぐに利用を開始できる。 |
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運用 ・ 管理 |
費用 | 毎年の経費は保守費用のみで、 ソフトを長期利用すれば減価償却できる。 |
契約更新の度に利用料金の支払いがある。 |
メンテナンス 障害対応 |
自社で定期メンテナンスや障害対応を行う必要がある。 ただし、保守サポートの範囲内であれば、専門担当者に障害対応をしてもらえる場合がある。 |
定期メンテナンスや障害対応はサービス事業者が行うため、自社での対応は不要。 |
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ネットワーク セキュリティ |
外部の影響を受けない社内ネットワーク上で利用するため、自社のセキュリティポリシーに合わせて環境を構築可能。 |
インターネット経由でサーバーにアクセスするため、第三者からの攻撃を受ける可能性はゼロではない。 サービス事業者の対策を確認する必要がある。 |
このように、オンプレミスとクラウドサービスはその特性が異なるため、そのサービスの特性や要件、情報セキュリティの観点から費用対効果を踏まえて、望ましい利用形態を選択する必要があります。
例えば、自社の自由な仕様にカスタマイズできるからといって、専門知識のある人材がいない場合、システム構築や運用に支障をきたしてしまいますし、導入作業が楽だからといって、クラウド事業者をよく調べずに決めた結果、情報セキュリティのトラブルが発生しては大問題となります。商品検討の際、以下のような点を担当者に確認しましょう。
クラウドサービス選定時のセキュリティ面の着目ポイント
- クラウド事業者のセキュリティ体制(クラウドサービスの基盤、運用)
- セキュリティ関連の機能、仕様(ログ、アクセス管理など)
- その他サービス利用に関する情報(利用中の情報提供、契約上での留意点)
まとめ
オンプレミスはこんな企業におすすめ
- 長期利用し、減価償却したい。
- セキュリティを強固にしたい。
- 情報システム部門などサーバー管理の専門知識をもった人材が社内にいる。
クラウドサービスはこんな企業におすすめ
- 初期導入費用を抑えたい。
- 運用の手間をかけたくない。
- 今すぐ利用を開始したい。
- 社内にサーバー管理の知識をもった人材がいない。
まずは、現在紙で行っている給与業務に、時間や手間・費用のコストがどのくらいかかっているのかを把握し、給与明細電子化ソフト(またはサービス)を入れた場合、そのコストがどのくらい削減できるのかを確認することが必要です。その上で、自社の要件に合わせて利用形態を検討してください。