Chromeリモートデスクトップの危険性とは? 安全に使うコツも紹介
Googleアカウントを準備すれば無料で導入できるChromeリモートデスクトップは気軽に使える反面、危険性もある点に注意が必要です。今回は、Chromeリモートデスクトップの危険性と、安全に使うために押さえるべきコツを解説します。
Chromeリモートデスクトップとは
Chromeリモートデスクトップは、GoogleのWebブラウザー「Google Chrome」の拡張機能のひとつです。この機能をインストールすることで、 手元にあるPCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスから、遠隔地にあるPCを操作できるようになります。
これにより、オフィスにいなくても作業ができ、リモート業務や業務の効率化などを円滑に進められます。
Chromeリモートデスクトップの主な特徴やメリットは、次の通りです。
- Googleアカウントを準備すれば無料で導入できる
- Google ChromeにアクセスできるデバイスならOSを問わず遠隔操作できる
- デバイスの種類や環境などを選ばず遠隔操作できる
- 認証情報の設定だけで簡単に使い始められる
このように、導入コストを抑えられ、誰もが気軽に使いやすい特徴を備えるChromeリモートデスクトップは、多くのユーザーに利用されています。
ただし、簡単に導入できるゆえにセキュリティ上のリスクもあるため、危険性を正しく理解した上で適切な対策を講じて運用する必要があります。
Chromeリモートデスクトップの危険性について
手軽に導入しやすいChromeリモートデスクトップには、セキュリティ面での危険性もあります。思わぬトラブルに見舞われないためにも、具体的にどのような点に注意が必要なのかを把握しておきましょう。
危険性① ホストPCが乗っ取られる場合がある
Chromeリモートデスクトップを使用する際は、遠隔操作される側であるホストPCを乗っ取られる危険性に留意しましょう。
Chromeリモートデスクトップでは、 ホストPCの遠隔操作に必要なGoogleアカウント情報を知っていれば、誰でもそのホストPCを操作できます。
悪意のある第三者に、遠隔操作できるGoogleアカウントのIDやパスワード、PINコードなどを知られてしまうと、ホストPCを乗っ取られる可能性があります。ホストPCが乗っ取られると、以下のようなリスクが発生します。
- 個人情報や機密情報、顧客情報といった重要な情報の漏洩や悪用
- マルウェアやフィッシングメールの拡散に利用される危険性
Chromeリモートデスクトップを安全に使用するためには、遠隔操作に必要な情報を適切に管理し、第三者に知られないよう注意することが重要です。
危険性② 通信を盗聴されるリスクがある
VPN接続などを利用せず、一般的なインターネット経由でChromeリモートデスクトップを利用する場合、通信内容を盗み見られる危険性があります。
誰もが利用できるパブリックネットワークでは、知識さえあれば比較的容易に 他の利用者の通信を不正に見ることが可能です。 そのため、セキュリティの高いVPN接続に対応していないプロバイダーやルーターを使っている場合、通信内容を盗聴されるリスクが高くなります。
リモートデスクトップを通じて顧客情報や機密情報といった重要な情報をやり取りしていると、盗聴された際に情報漏洩などのトラブルに巻き込まれる可能性があります。
安全にChromeリモートデスクトップを使うためのコツ
Chromeリモートデスクトップの危険性を踏まえた上で安全に活用するには、押さえるべきコツが7つあります。
コツ① Googleアカウントの2段階認証を有効にする
Googleアカウントの情報漏洩対策として、2段階認証の設定が効果的です。
2段階認証プロセスを設定すると、 ログイン時にID・パスワードの入力だけでなく、スマートフォンを使った本人確認など、2つの認証ステップが必要になります。
このプロセスにより、GoogleアカウントIDなどを誰かに知られても、2つ目の認証を突破されなければ、アカウントへ不正ログインされるのを防ぐことが可能です。
コツ② ホストPCへ接続できるIPアドレスに制限を設ける
ホストPCへ接続できるIPアドレスに制限を設けることも、不正アクセスやサイバー攻撃のリスクを減らすのに有効です。接続を許可するIPアドレスのリストであるホワイトリストをあらかじめ設定しておくことで、 リストにないリスクの高いIPアドレスからの接続を拒否できます。
ただし、ホワイトリストを作成するには、アクセスデバイスのIPアドレスの固定が必要です。一般的に固定IPアドレスを使うには、アドレス1つにつき月額で1,000円から数千円程度の費用が発生します。
コツ③ カーテンモードを有効にする
ChromeリモートデスクトップでホストPCを操作すると、その操作内容はホストPCの画面上にも表示されます。そのため、個人情報など重要度の高い情報を扱う業務では、ホストPC側の画面を盗み見られると情報漏洩リスクが生じます。
ホストPCの画面からの情報漏洩を防ぐには、Chromeリモートデスクトップのカーテンモードを使うのが効果的です。カーテンモードを有効にすると、 リモートアクセス時にホストPCにはロック画面が表示 され、操作内容は見えなくなります。カーテンモードを有効にするには、PCのレジストリで設定を行います。
コツ④ ホストPCにセキュリティソフトを導入する
ホストPCに、セキュリティソフトを導入しましょう。インターネット経由でホストPCに接続する際、 ホストPCがマルウェアやウイルスに感染するリスクがあるため です。
マルウェアなどに感染すると、個人情報や機密情報などの重要情報が流出する危険性が高くなります。セキュリティソフトを導入しておくことで、自動的にマルウェア感染や不正アクセスなどを速やかに検出し排除できます。結果として、被害を最小限に抑えられるでしょう。
コツ⑤ ソフトウェアやOSを欠かさずアップデートする
ソフトウェアやOSを欠かさずアップデートし、セキュリティの高い状態を保つことも重要です。ソフトウェアやOSが最新の状態でないと、 新たなマルウェアやサイバー攻撃に対応できず、不正アクセスや情報漏洩につながる可能性があります。
なお、サポートが終了した古いOSはセキュリティ更新が行われなくなります。そのため、必ず新しいOSにバージョンアップし、セキュリティホールを作らないようにしましょう。
コツ⑥ VPN接続を利用する
VPNはVirtual Private Networkの略で、インターネット上に仮想の専用回線を設け、特定のユーザーだけがアクセス可能な機能です。VPN接続を利用すると、インターネット利用時に生じる 不正アクセスや盗聴などのリスクを軽減できます。 VPN接続をするときは、VPN対応ルーターなどを購入し、適切な設定を行う必要があります。
コツ⑦ トラブル発生時の体制を整えておく
Chromeリモートデスクトップを安全に使用する上で、トラブル発生時に速やかに対応できる体制を整えておくことも重要です。 いくら対策を講じていても、トラブルの発生リスクをゼロにすることは難しいため です。
Chromeリモートデスクトップを使用する際は、セキュリティ関連のリスクだけでなく、ホストPC自体に問題が発生する可能性もあります。トラブルが起きた場合、ホストPCがある場所に直接行かなければ解決できないこともあります。そのため、迅速に対応できる体制づくりが欠かせません。
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「RemoteOperator Helpdesk」は、離れた場所にあるPCのサポート、
オフィスのサーバーやシステムのメンテナンスなどがリモートでできるサービスです。離れた場所のデバイスでトラブルが起こったら、画面共有や遠隔操作などで問題を解決できるので、いざというときも迅速に対応できます。
まとめ
Chromeリモートデスクトップは、アカウントを準備すれば無料で使えるなど気軽に使いやすい反面、不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティリスクもあります。2段階認証などのセキュリティ対策を行うとともにトラブル対応の体制を整え、安全に運用することが大切です。
リモートアクセスで在宅ワーカーのPCサポートをしたり、社内システムのメンテナンスができたりするサービスの導入も効果的です。PCを遠隔操作できるサービスを導入したい場合は、ぜひ「RemoteOperator Helpdesk」をご検討ください。