コラム

テクニカルサポートとヘルプデスクの違いとは? 主な業務やスキル

ヘルプデスク

企業のITサポート体制には、「テクニカルサポート」と「ヘルプデスク」という2つの役割があります。一見すると似た業務に思えますが、対応する問題のレベルや求められるスキルには明確な違いがあります。

それぞれの役割を理解することは、ITサポート体制の最適化とユーザーの満足度向上に欠かせません。

そこで今回は、テクニカルサポートとヘルプデスクの違いについて解説し、主な業務内容や求められるスキルを紹介します。

テクニカルサポートとヘルプデスクの違い

テクニカルサポートとヘルプデスクは、どちらも顧客や従業員からの問い合わせに対応する重要な役割を担っていますが、それぞれの対応内容には違いがあります。ここでは、両者の主な役割や対応内容について解説します。

テクニカルサポートとは

テクニカルサポートの主な役割は、自社商品やサービスを利用している外部顧客からの技術的な問い合わせに対応することです。具体的には、商品の操作方法やトラブルシューティングに関する深い専門知識をもつスタッフが、顧客の問題を解決します。

電話やメールといった遠隔でのサポートだけでなく、実際に現地での対応や修理を行うこともあります。

ヘルプデスクとは

ヘルプデスクの主な役割は、社内の従業員や外部の顧客からの軽微な質問、あるいは問題に対応することです。基本的に一次対応を担当し、商品の操作方法に関する質問や簡単なトラブル対応を行います。

また、必要に応じて担当部署やテクニカルサポートに問題をエスカレーションするのも役割の1つです。

テクニカルサポート・ヘルプデスクの主な業務

ここでは、テクニカルサポートとヘルプデスクの主な業務内容について解説します。

テクニカルサポートの業務

テクニカルサポートは、ユーザーからの高度なIT関連の問い合わせに対応し、問題の診断や解決策の提供をします。単なる操作案内にとどまらず、商品やサービスの専門的な設定や最適な使用方法をアドバイスすることで、ユーザーの利便性を向上させる役割を担います。

以下は、テクニカルサポートの業務例です。

  • ソフトウェアやハードウェアの設定方法の案内
  • ネットワークの接続トラブルの解決
  • システムエラーへの対応
  • クライアントの業務に適した環境を整えるためのカスタマイズの支援

また、定期的にリリースされるアップデートに関しても、ユーザーが適切に適用できるよう、内容の説明や手順を提示します。さらに、ヘルプデスクで解決できない高度な技術的問題が発生した場合、詳細な調査を実施したり、専門的な対応を引き継いだりします。

ヘルプデスクの業務

ヘルプデスクは、ITに関する基本的な問い合わせや、ユーザーが直面する一般的なトラブルを解決する役割を担います。以下は、その業務例です。

  • プリンターが印刷できない:接続状態の確認やドライバーの再インストール、プリンターの再起動といった基本的な対応を実施。
  • Excelが起動しない:トラブルシューティングの手順を使用し、パソコンの再起動やExcelの設定リセットなどを試みる。

また、ヘルプデスクはユーザーから問題の詳細を聞き取り、初期診断をする役割も担います。より高度な技術的問題であると判断した場合は、適切な部署やテクニカルサポートチームにエスカレーションし、迅速な解決を図ります。

さらに、ヘルプデスクは、よくある質問や過去の問い合わせ内容を分析し、FAQやマニュアルなどの資料を作成するのも業務の1つです。ユーザーの自己解決をサポートし、問い合わせ件数の削減につなげます。

テクニカルサポート・ヘルプデスクに必要なスキル

テクニカルサポートとヘルプデスクは、それぞれ業務内容や役割が異なることから、両者に求められるスキルも変わってきます。ここでは、それぞれに必要なスキルを紹介します。

テクニカルサポートに必須のスキル

テクニカルサポートは、顧客の技術的な問題を解決し、満足度を高めるために、幅広い知識とスキルが求められます。ここでは、テクニカルサポートに必須のスキルを具体的に解説します。

製品・サービスに関する専門知識

テクニカルサポートには、自社商品やサービスの仕様、操作方法を深く理解することが求められます。ユーザーが直面する問題に適切に対応するためには、商品の基本的な機能だけでなく、トラブル発生時の対処法やカスタマイズ方法にも精通している必要があります。

特に、企業向けのソリューションでは、顧客の業務に合わせた設定変更や最適な活用方法を提案することが重要です。商品のアップデートや新機能が追加された際には、それらをスムーズに案内できるよう、最新の情報を常に把握しておく必要があります。

ITに関する専門知識

テクニカルサポートには、OS、ネットワーク、アプリケーション、ハードウェアなど、幅広いIT知識が必要です。特定の商品に関する知識だけでなく、基本的なITスキルを身に付けることで、より迅速かつ的確にトラブルシューティングが可能になります。

例えば、ネットワークの接続不良が発生した際には、IPアドレスやDNS設定の確認、ルーターの設定変更などの対応が求められることがあります。また、OSの設定やアプリケーションのエラーログを確認し、適切に修正する能力も必要です。

問題解決能力

ユーザーが抱える問題の原因を特定し、迅速に解決するためには、高い問題解決能力が不可欠です。テクニカルサポートでは、エラーメッセージの解析やシステムログの確認を通じて、問題の根本原因を特定し、最適な解決策を提示するスキルが求められます。

特に、複雑なシステム障害やソフトウェアのバグが関係する場合には、論理的な思考をもち、仮説を立てながらトラブルシューティングを進める能力が重要です。また、迅速な対応が求められるため、限られた情報の中から問題の本質を見極める洞察力も必要です。

ヒアリング能力

ユーザーの困っている内容を正しく理解し、適切な解決策を提示するためには、高いヒアリング能力が求められます。特に、ITに詳しくないユーザーに対しては、丁寧にヒアリングを実施して、問題の本質を探ることが重要です。

適切な質問を投げかけることで、ユーザーが気づいていない問題点を明確にし、より的確なサポートを提供できます。

知識吸収力

IT業界は常に進化しており、新しいサービスや技術が次々と登場します。ゆえに、テクニカルサポートには、最新の情報をキャッチアップし、自身の知識をアップデートする姿勢が大切です。

商品のアップデートや新機能が追加された際には、すぐにその内容を把握し、適切にユーザーへ案内できるよう準備する必要があります。

ヘルプデスクに必須のスキル

次に、ヘルプデスクに求められるスキルを5つ紹介します。

コミュニケーション能力

ヘルプデスクでは、ユーザーからの問い合わせに対して、わかりやすく丁寧に説明する能力が求められます。特に、外部顧客対応では、接客マナーや電話対応スキルも重要です。単に問題を解決するだけでなく、ユーザーとの信頼関係を築くことが、長期的な顧客満足度の向上につながります。

また、ITに詳しくないユーザーに対しては、専門用語を極力使わず、かみ砕いて説明が必要です。特に、トラブル時にはユーザーが不安や怒りを感じていることが多いため、冷静かつ柔軟に対応し、安心感を与えることも求められます。

IT・システムに関する基本的な知識

ヘルプデスク担当者には、パソコンの基本操作やOS(Windows、Macなど)、Officeソフト(Excel、Wordなど)、ネットワークの基礎知識が欠かせません。基本的なトラブルシューティングを自ら行えるよう、幅広いIT知識をもつことが重要です。

例えば、インターネットの接続トラブルが発生した場合、ルーターの再起動やIP設定の確認、Wi-Fiの状態チェックといった対応が求められます。

文章力

ヘルプデスクでは、電話対応だけでなく、メールやチャットでの問い合わせ対応も多いため、正確でわかりやすい文章を書く能力が必要です。

また、FAQやマニュアルの作成も業務の一環となるため、文章構成能力も求められます。ユーザーが自己解決できるよう、適切な表現や画像を交えながらわかりやすいドキュメントを作成するスキルも重要です。

語学力

日本国内だけでなく、海外のユーザーや社内の外国人従業員をサポートする場面もあるため、英語をはじめとした語学力があると有利です。

特に、海外のソフトウェアやクラウドサービスを使用する企業では、英語のマニュアルを読み解いたり、海外のサポートチームとやり取りしたりする機会もあるため、最低限の英語スキルを身につける必要があるでしょう。

スケジュール調整能力

ヘルプデスク業務では、問い合わせ対応に加え、スケジュール管理も重要なスキルです。特に、トラブル解決には複数の担当者や部門が関与することが多いため、それぞれの予定を把握し、適切にスケジュールを調整する必要があります。

例えば、システム障害が発生した場合、IT部門や外部の技術サポートと連携し、迅速に対応を進めるための調整が求められます。限られたリソースの中で優先順位を考えながら、スムーズに業務を進める能力が、ヘルプデスク担当者には必要不可欠です。

まとめ

テクニカルサポートとヘルプデスクは、どちらもユーザーのITトラブル解決において重要な役割を担っていますが、対応範囲や求められるスキルには違いがあります。

テクニカルサポートは、専門的な知識を活かして高度な技術的問題の解決やカスタマイズにも対応します。一方、ヘルプデスクは、基本的な操作案内やトラブルシューティングを担当し、ユーザーが日常的に直面する課題を素早く解決するのが主な役割です。

しかし、いくら優れたサポート体制があっても、ユーザーとのスムーズなやり取りができなければ問題解決に時間がかかってしまいます。

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