ヘルプデスク業務を効率化する方法は? 業務の課題解決と効率化を進める手順を解説
ヘルプデスクは、企業のIT運用において重要な役割を果たす部門です。しかし、業務負荷が高くなりやすく、様々な課題を抱えがちです。今回は、ヘルプデスク業務でよくある課題と、課題を踏まえた効率化を図る方法・手順について解説します。
ヘルプデスクの業務で生じる課題
まず、ヘルプデスク業務における主な課題を確認しておきましょう。
業務負荷が大きい
ヘルプデスク業務でよくある課題の代表例が業務負荷の高さです。1日あたりの問い合わせ件数が多く、カバーすべき範囲も広いためです。
問い合わせ・苦情・情報提供に対して満足のいくサポートや対応をするには、専門的な知識や豊富な経験が必要です。しかし、業務の負担が大きいとスキルアップも難しくなります。蓄積されたナレッジを整理し共有する時間の確保も難しいでしょう。
その結果、業務負荷が高い状態が放置されると、生産性や業務品質の低下につながってしまいます。
人材不足に陥っている
人材不足に陥ってしまうのも、ヘルプデスク業務で悩まされることの多い課題です。ヘルプデスク業務は、企業の利益に直結しない間接的な業務であるため、十分な人材や予算を割けない場合が多いことが要因です。
そのため、問い合わせ数に対し小規模なヘルプデスクしか用意できなかったり、ヘルプデスク担当者が他の業務と兼任していたりという状況が、しばしば起こります。人材が不十分だと問い合わせに速やかに対応できず、サポートの品質が低下しかねません。
情報の共有・アップデートができていない
知識の蓄積・共有ができていないことも、スムーズなヘルプデスク業務の遂行を阻む課題です。ヘルプデスクでは多様な問い合わせに対応するため、継続して知識をアップデートする必要があります。組織内で解決事例や対応例が共有できていると、スムーズに知識をアップデート可能です。
しかし、情報の共有・アップデートが不十分だと、各担当者の知見を組織内で有効活用できなくなり、業務効率や対応品質の低下につながりかねません。
顧客対応が不十分で満足度の低下を招く
顧客対応が不十分で満足度の低下を招くことも対策を講じるべき課題です。ヘルプデスクには、問い合わせに対するスムーズな解決が求められています。
しかし、人材不足やノウハウの共有不足などの課題があると、迅速な対応や的確なサポートができなくなってしまうでしょう。その結果、問い合わせをした顧客や従業員は待たされたり満足のいく回答を得られなくなったりするため、満足度が低下してしまいます。このような事態を招かないためにも、業務の効率化やマニュアル作成などが欠かせません。
ヘルプデスクの効率化を図る方法
ここでは、ヘルプデスクの抱える課題を解決し、業務改善をするのに効果的な方法を紹介します。
問い合わせ対応を自動化する
問い合わせ対応の自動化とは、ヘルプデスクの担当者が直接応答することなく、従業員や顧客が疑問点などを解消できる仕組みづくりのことです。自動化すると問い合わせ件数を減らすことができ、業務の効率化につながります。
具体的には、FAQの作成やチャットボットの導入を検討すると良いでしょう。
FAQをつくる
これまでの問い合わせ実績からFAQを作成し、検索しやすい形で公開します。問い合わせ件数が多いものから優先してFAQを作成すると、業務効率化の効果が高まります。
チャットボットを導入する
チャットボットは、担当者の対応が必要な場合は有人対応に誘導したり、使い込むほどに回答精度を高めたりできるのが特徴です。FAQよりも柔軟に顧客・従業員をサポートできます。
業務を効率化する
業務自体を効率化することも、ヘルプデスクの抱える課題解決に有効です。ここでは、返信のテンプレート化・マニュアル作成・問い合わせ管理システム導入について紹介します。
返信のテンプレート化
問い合わせに対する回答をテンプレート化しておくと、対応にかかる労力を抑えられます。特に、定型的な対応が可能なものや件数が多いものは優先してテンプレート化しておきましょう。
マニュアルを作成する
これまでの対応を通して得られたノウハウやナレッジをまとめたマニュアルを作成するのも効率化に有効です。新人研修や組織内での情報共有に役立ち、対応の品質向上が図れます。
問い合わせ管理システムを導入する
問い合わせ管理システムを導入すれば、問い合わせや対応の状況を一元管理できます。手間をかけずに対応状況を確認し、処理漏れなどをなくすことが可能です。
オペレーターのレベルを高める
オペレーターの知識をアップデートしたり、心身のサポートをしたりすることも業務効率化に欠かせません。具体的には、研修や面談の実施などがあげられます。
研修を充実させる
研修を定期的に実施することで、ヘルプデスクで求められる継続的な知識のアップデートをサポートできます。組織内の情報共有にも役立ち、対応品質の向上を図れます。
面談を実施する
定期的に面談を実施することで、オペレーターの心身のサポートや意欲の向上が可能です。業務負担が大きく、苦情対応などが必要な場合も多い業務であるため、フォロー体制の構築にも力を入れましょう。
遠隔サポートツールを導入する
遠隔サポートツールとは、PCなどのデバイスにリモートアクセスし、遠隔操作して課題解決のサポートができるツールです。電話やチャットよりも、現状を詳しく把握し迅速に対応できます。
遠隔サポートツール「RemoteOperator Helpdesk」は、国内設置のサーバーで安定稼働、安心のサポート体制で、多くの企業様からご利用いただいています。柔軟なライセンス形態で無料トライアルもあるので、ツールのコストを抑えたい場合にも適しています。
業務をアウトソーシングする
ヘルプデスク業務をアウトソーシングすることでも、業務効率化が図れます。プロに業務を依頼することで、対応品質の向上と負担軽減を同時に実現できるでしょう。
ヘルプデスクの効率化を進める手順
ヘルプデスク業務を効率化するには、4つのステップに沿って進めるとスムーズです。
- 問い合わせ内容を分析する
- 顧客対応をテンプレート化する
- 顧客が自分で解決できる環境を整える
- 業務内容を一元管理する
各ステップについて、もう少し詳しく紹介します。
①問い合わせ内容を分析する
最初に、これまでに対応した問い合わせ内容を分析します。分析結果に応じて、効率化の方向性や必要な対策を把握できるためです。
具体的には、問い合わせした側が自力で対応可能な課題・件数の多い質問内容・定型的な対応ができる内容・時間帯に応じた分布などを調べましょう。
②顧客や従業員への対応をテンプレート化する
分析結果を踏まえて、定型的に対応できる問い合わせは、返信をテンプレート化しましょう。テンプレート化すれば、ヘルプデスク全体で標準化された回答ができるため、品質向上につながります。また、対応時に担当者が解決方法を調べる手間などを省けます。
③顧客や従業員で自己解決できる環境を整える
分析結果から、問い合わせした側が自力で対応可能であると判断できる課題については、FAQやヘルプページを導入し、対応業務を自動化します。特に質問件数の多い内容は、優先して掲載しましょう。
FAQシステムやチャットボットなど自己解決をスムーズにするツールを導入すると、さらに効果的に効率化を進められます。
④業務内容を一元管理する
問い合わせ内容と回答に関するデータを一元管理しておきましょう。情報を一括して管理することで、対応状況を一目で把握し、迅速かつ効率的にサポートできます。また、ノウハウやナレッジを整理して共有するのも簡単です。問い合わせ内容を分析し、新たなテンプレート化などを行う場合にも役立つでしょう。
まとめ
負荷が高いヘルプデスク業務には、様々な課題が山積しがちです。これらを解決し業務改善を進めるには、対応の自動化や業務効率化、オペレーターの育成・フォロー、遠隔サポートツールの導入などが効果的です。
ヘルプデスクやカスタマーサポート業務を支援する遠隔サポートツール「RemoteOperator Helpdesk」は、安定した業務サポートがいつでも受けられます。柔軟なライセンス形態で、コストを抑えたい場合も安心です。無料トライアルもあるので、まずは実際に使ってみてご検討ください。