コラム

リモートアクセスにおける5つのセキュリティリスクと対策

リモートアクセス

リモートアクセスを活用すると、柔軟な働き方が実現できたり、オフィス縮小によるコスト削減ができたりなど、多くのメリットが得られます。しかし、便利さの裏には様々なセキュリティリスクも存在しており、対策が不十分だと大きな脅威につながるため注意が必要です。

今回は、リモートアクセスに伴う主なセキュリティリスクを5つ取り上げつつ、効果的な対策について解説します。

リモートアクセスとは

リモートアクセスとは、物理的に離れた場所からオフィス内のコンピューターやネットワークに接続し、操作できる方法のことです。例えば、在宅勤務をしているときに、会社のPCやサーバーにアクセスする場面がそれに当たります。

リモートアクセスするためには、VPN(Virtual Private Network:仮想プライベートネットワーク)などの技術を利用するのが一般的です。VPNを使うことで、インターネットを通じて社内ネットワークに安全にアクセスできるようになります。

また、リモートアクセス環境を整えるためには、専用のソフトウェアやシステムを導入する必要があります。

リモートアクセスにおける5つのセキュリティリスク

リモートアクセスには多くのメリットがある一方で、不正アクセスや情報漏洩、マルウェア感染など、リモート環境ならではの脅威が存在しています。適切に対処しなければ、企業の機密情報が危険にさらされかねません。

ここでは、リモートアクセスにはどのようなセキュリティリスクがあるのか解説します。

リスク① 不正アクセス

リモートアクセスの環境が適切に保護されていない場合、不正アクセスのリスクが高まります。特に、パスワードが弱かったり、多要素認証(MFA)を使用していなかったりすると、攻撃者に認証情報を盗まれる可能性もあります。

不正アクセスのよくある手口の1つとして、攻撃者が通信データを盗聴し、ログイン情報を入手するケースが挙げられます。この情報を使って正規のユーザーになりすまし、システム内部に侵入するのが狙いです。こうした攻撃を防ぐためには、強固なパスワードの設定や多要素認証の導入、通信の暗号化などの対策が不可欠です。

リスク② データの盗難

リモートアクセスでは、インターネットを介してデータをやり取りするため、通信内容が盗聴されるリスクがあります。攻撃者がネットワーク上のデータを傍受すると、機密情報や個人情報が漏洩し、不正利用されかねません。

特に、暗号化されていない通信を使用している場合、第三者にデータがそのまま読み取られてしまう危険性が高まります。こうしたリスクを防ぐためには、VPNを活用した安全な通信経路の確保や、SSL/TLSなどの暗号化技術を導入し、データを保護することが必要です。

リスク③ ウイルス感染

自宅のPCや外部のデバイスを業務に使用する場合、企業の端末と比べてセキュリティ対策が不十分であるケースが少なくありません。そのため、セキュリティ対策が不十分な個人の端末が感染し、そこから社内ネットワークにウイルスが侵入する可能性があります。

一度ウイルスに感染すると、重要なデータが削除されたり、攻撃者によって別の端末へ情報が流出したりする危険性があります。

このようなリスクを防ぐためには、業務用端末の使用を徹底し、ウイルス対策ソフトの導入や最新のセキュリティパッチを適用することが重要です。また、不審なファイルの開封を避けるなど、利用者自身のセキュリティ意識を高めることも必要です。

リスク④ データの改ざん

攻撃者がシステムに侵入すると、保存されている情報を勝手に変更したり、偽のデータを入力したりする可能性があります。特に、業務上重要なデータや顧客情報が書き換えられてしまうと、その信憑性や完全性が失われ、企業の信用を毀損しかねません。

このような不正アクセスを防ぐためには、強固な認証システムを導入するとともに、データの改ざんを検知できる仕組みを整えることが重要です。ログの監視やアクセス制御の強化、定期的なデータのバックアップをして、被害の最小化につなげましょう。

リスク⑤ なりすまし被害

「なりすまし」とは、攻撃者が正規のユーザーになりすまし、システムへ不正に侵入する行為のことです。なりすましの多くは、IDやパスワードが何らかの形で流出することによって発生します。例えば、フィッシング詐欺による情報の詐取や、パスワードの使い回しによる漏洩などです。

攻撃者が正規のログイン情報を使用すると、管理者やシステム側が不正アクセスをすぐに見抜くのが難しくなり、機密情報の窃取やデータの改ざんなどの被害につながる可能性があります。このようなリスクを防ぐためには、多要素認証(MFA)の導入や、定期的なパスワード変更、ログイン履歴の監視などの対策が不可欠です。

リモートアクセスを安全に実施するためのセキュリティ対策

安全にリモートアクセスを利用するために、以下で紹介するセキュリティ対策を講じてみてください。

セキュリティポリシーを見直す

リモートアクセスを安全に利用するために、セキュリティ対策の基本方針を定めた「セキュリティポリシー」を定期的に見直すことが重要です。リモートワークの普及により、従来のオフィス環境とは異なるリスクが増えているため、最新の脅威に対応できるようポリシーを更新する必要があります。

例えば、リモートアクセス時の認証方法や使用可能なデバイスの制限、不正アクセス発生時の対応手順などを明確に定めることが重要です。

また、セキュリティポリシーを策定するだけではなく、社内の全従業員に周知し、意識を高めることも重要です。定期的な研修やガイドラインの共有を通じて、従業員一人ひとりが適切なセキュリティ対策を実践できる環境を整えましょう。

ゼロトラストモデル(ゼロトラストセキュリティ)を実施する

ゼロトラストとは、ユーザーやデバイス、接続元のロケーションを信頼できないものとして捉えるセキュリティの考え方です。システム内のすべてのアクセスに対して、信頼性を検証することが求められるのです。

具体的には、エンドポイント(端末)とサーバー間の通信を暗号化し、アクセスのたびにユーザーやデバイスの正当性・安全性を確認します。これにより、マルウェアの感染や不正アクセスから重要な情報資産を守ることが可能です。

ゼロトラストセキュリティは、このゼロトラストモデルを基にしたセキュリティ対策であり、従来の「内部は信頼、外部は信頼しない」という考え方とは異なり、すべてを信頼せずに「常に検証し続ける」アプローチを取ります。

エンドポイントセキュリティ製品を導入する

エンドポイントセキュリティとは、PCやスマートフォン、サーバーなど、インターネットや社内LAN、仮想環境などに接続された端末をサイバー攻撃から守るための対策です。リモートワークが進む中で、企業内外の端末が攻撃のターゲットとなりやすく、その保護が重要になっています。

エンドポイントセキュリティ製品にはEPP(Endpoint Protection Platform)とEDR(Endpoint Detection and Response)の2つの種類があります。両者の違いは、EPPはマルウェアの感染を未然に防ぐ「事前防御」を目的とし、EDRはマルウェアの検知・分析といった「事後対策」を目的としている点です。

多要素認証を導入する

従来のIDとパスワードだけでは、不正アクセスを完全に防ぐことが難しいため、追加の認証要素を組み合わせる「多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)」によってセキュリティレベルを高めることが必要です。

多要素認証を導入すれば、仮にパスワードが漏洩しても、攻撃者がアクセスするのは難しくなります。多要素認証には、主に3つのタイプがあります。

知識要素 ユーザーが知っている情報(例:ID、パスワードなど)
所有要素 ユーザーが所持しているもの(例:スマートフォンアプリやワンタイムパスワード)
生体要素 ユーザーの身体的特徴(例:指紋認証、声紋認証)

これらの認証要素を組み合わせることで、1つの要素が突破されても、ほかの要素でアクセスが制限されるため、セキュリティが強化されます。

IPフィルタリング/ログイン試行制限を導入する

IPフィルタリングは、アクセス元のIPアドレスを制限する方法です。特定の承認されたIPアドレスからのみアクセスを許可し、それ以外のIPアドレスからのアクセスを拒否することで、外部からの不正アクセスを防ぎます。

ログイン試行制限は、一定回数以上のログインに失敗した場合、その後のログイン試行を一時的に停止する仕組みです。ログイン試行制限があることで、可能な組み合わせをすべて試してログインを謀る「ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)」を防げます。

安全な環境でリモートアクセスするなら「RemoteOperator Helpdesk」

「外出先で社内PCをリモートでコントロールしたい」「自宅で会社のシステムやサーバーのメンテナンスをしたい」といった場合は、リモートアクセスサービスの「RemoteOperator Helpdesk」をご検討ください。インターネット環境さえあればどこからでも簡単にアクセスできます。

セキュリティ面でも、MACアドレスやIPアドレスの制限、パスワードポリシー、二要素認証にも対応しているため、安全性を確保できます。30日間の無料トライアルがあるので、ぜひお試しください。

まとめ

リモートアクセスには、不正アクセスやウイルス感染、データの改ざんなどのセキュリティリスクが伴います。機密情報や個人情報の漏洩、不正利用などの被害に遭うと、会社の信用を毀損しかねません。

安全にリモートアクセスを利用するためにも、多要素認証やログイン試行制限などのセキュリティ対策を講じましょう。

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